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亀ケ壺(夢前町)



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平成16年7月11日(日)  メンバー私だけ

亀ケ壺 落差20m 兵庫県飾磨郡夢前町

2万5千分の1地形図「寺前」を参照すること。


4回目の亀ケ壺

夢前町の雪彦山に行く県道の河原口バス停(上り)横にある表示柱に次のような解説がある。

  名勝 亀が坪滝  夢前町
河原口(こうらぐち)より、東の谷8Km(徒歩約2時間)の奥地にあり宝歴12年(1762)にまとめられた「播磨鑑」にも明記され、古くから知られていた。(滝高さ約20m、坪深さ約2m、幅約3m)
水が清らかなために、この滝に汚物を投げ入れて汚せば、たちまち水神の怒りを招き暴風雨の災難があるといわれた。この伝承があるために、古くから山之内の各地区から番人が出て滝に汚物が入らないように見守った時期もあった。

亀ケ壺に初めて行ったのは6年前の秋、大雨の後で水量も凄くゴウゴウと水の落ちる音が響いていた。しかし4回目の今日は水量少なく迫力はなかったが、水はあくまでも透き通っていた。


まだ人がいない河原川

10:00
夢前町立船野(たちょうの)から夢前川の支流、河原川沿いの林道を進み、地形図の「河原川」の文字の上流にある砂防堤の手前まで車を入れる。まだ時間が早いのかアウトドア愛好者は一人もいない。

ここまでの林道は水溜りがそこかしこにあり、路面状態ははっきり言ってよくない。普通車でも砂防堤の奥まで車を乗り入れることが出来るが、私は車を入れるのは進入限界点手前までにしている。ここまでバス停から歩いたら1時間ほどかかる。

準備をしていると2台の車が奥に入って行く。ようやくアウトドア愛好者のお出ましのようだ。

10:07
行動開始。今日のいでたちは、川の中をジャブジャブと行けるように半ズボンに安物のスニーカー。このスニーカーというか運動靴は普段町中を歩くのには何も問題がなかったが、濡れた岩の上では滑りまくりで怖い目に幾度もあった。

10:12
砂防堤を過ぎると、先ほど通り過ぎた2台の車の人達が、たくさんのアウトドアギアを両手に抱えBQサイトに向うところだった。


渓谷を遡上する

10:18
破線道の分岐地点の滝は梅雨時なのに水量は少なく、川の流れもおとなしい。分岐地点には今は使われていない林業小屋の廃屋があり、その脇が亀ケ壺への入口になっている。破線道分岐から橋を渡り北に行く道については、今年4月の「夢前町立船野から大河内町高朝田へ」を見ること。

ここが亀ケ壺の入口だ
この林業小屋はいつ頃まで使われていたのかな

亀が壺の滝へ(約50分) <公設案内板>

人は誰しも明日と云う日を夢み今日を生きている。
まだ見ぬものとの出会いに人生は感動の連続でありたい。
今日一日自然の美を満喫した自分申請に、祝福の乾杯を……
  兵庫登山会

滝に着くまでに10回以上も渡渉するのだが、今日は沢の水量が少なく飛び石伝いに渡れば靴を濡らさずに行けそうだ。大雨の後に行った時は、渡渉地点の最深部がパンツを濡らすほどのこともあった。(増水時でも沢の傾斜が緩いため流れは穏やかで、渡渉するのに危険はなかった)

最初の渡渉地点
今年の梅雨はどうなっているのだろう

わざとジャバジャバと渡る
歩きやすいが少し物足りない

沢の水量が多いときなら、川岸の踏み跡を辿りテープの目印が付いている渡渉地点を探すのだが、今日は沢の中を適当にジャブジャブと歩いていく。

10:42
左岸に鉈目が4つ付いた杉の木があり、そこから踏み跡は谷から離れ登っていってしまう。2年前の3月「大中山(松尾山)、私は日帰り・車は一泊」で、ここから大中山を目指しえらい目に会ったことがある。(一応、大中山までは行けたが)

10:46
鉈目の杉の木から踏み跡を登らずに河原を進むと、水深があり泳いだら気持ち良さそうな、おまけにウォータースライダーも付いた淵がある。水は澄み切り底まできれいに透き通っている。

天然の滑り台つきプール

10:54
滝への道標がある。パウチした紙をホッチキスで木板に留め、木板に付けた二つのヒートンで木に吊るしている。

不要な道標
どういう感覚の人が取り付けたのだろう

確認できただけで同じものが6枚下がっていたが、木板・紙・ビニール・止め金具と材料の組み合わせが悪かったのか、今はみすぼらしいゴミになっている。設置者により早急な撤去をして欲しいものだ。

これ以外にも兵庫登山会による案内板もあるが、亀ケ壺への渓谷は地形的に迷いようがないので、どの案内も不必要なものと思う。ただ滝までの距離や所要時間を記した案内であれば、存在価値があるがそのようなものはなかった。

11:12
水の流れが消えた河原の左岸に、真茶色に錆びて文字も読みがたい表示板がある。設置者が変わったのかそこには真新しいシールが貼られている。そのシールを貼るためだけにここまで来た役人(おそらく下請けの業者か)がいるのだろうか。

  亀ヶ坪官行造林地
一、自然を愛し森林を大切にしましょう。
一、枝を折ったり樹木にきずをつけないようにしましょう。
一、鳥獣を愛しましょう。
一、たき火・たばこに注意しましょう。
一、樹木や土石の採取はやめましょう。
    兵庫森林管理署

11:16
左岸の広くなった川岸に林業小屋が放置されている。破線道分岐点の小屋と共に薄気味悪い廃屋で、このために亀ケ壺への渓谷のイメージがかなり悪くなっている気がする。何とかして撤去できないものだろうか。

11:23
兵庫登山会の案内板がある。

亀ケ壺
 ←
恋せよ若者ー!
愛せよ自然ー!
 兵庫登山会

この案内板の先が亀ケ壺への最大の難所だ。ゴウゴウと音を立てる急流の向こう側は垂直に岩崖が切り立ち、左岸の滑りやすく足場も乏しい急な岩場を古いロープを頼りに通過しなければならない。というのは大雨の後だけで、普段は沢の中をジャブジャブと行くだけですんでしまう。

その先も沢と切り立った岩壁の間の狭い通路を慎重に通過しなければならない(これも大雨の後だけ)ポイントもあり気が抜けない。

11:46
ここまでにも何ヶ所かあったが、石を組んだ炭焼窯跡が右岸にあり、そのさきに枝葉越しに目的の亀ケ壺が見えてくる。

11:48
破線道の分岐点の廃屋から1時間30分かかり、亀ケ壺に到着。道草を食わずに普通に歩けば案内の通り1時間もかからない(過去に実績あり)。

  小さな愛情ー!
美しい自然は、あなたのマナーで宝石のように、尚、輝くものです。
自分のゴミは、必ず持ち帰りましょうね。
  兵庫登山会

  標示者(裏面)
神戸市長田区三番町三丁目七−六
兵庫登山会 1998.7.21

二段になった亀ケ壺
これぐらいの水量が普通か

亀ケ壺は下から見上げるだけでは不完全だ。一段目のと二段目の間に名前の由来になっている壺があるのだ。滝の左岸岩場を登っていくのだが、今日は壺への最後の一足が滑りまくりで難儀した。しかしその原因の多くは履いてきた底が滑る運動靴のせいで、それなりのものを履いていれば手掛かりも充分で問題はないと思う。とは言うものの一旦滑って落ちてしまえば最悪、頭を打って即死の可能性もあり、5mほどの補助ロープを持っていくことを勧める。

これが亀ケ壺だ
水量は少し淋しいが

底まで透き通って見える壺は、夢前町の案内によると深さ2m・幅3mとあるが、深さはもう少しあると思う。滝壺によっては中が渦を巻いていて飛び込むと二度と浮かんでこれないものもあると聞くが、この壺ではそのようなこともない。また縁には手掛かりもあり壺から出るのも容易だ。

滑る靴を脱ぎ、壺の脇でサンドイッチとおにぎりの昼食をとる。猛暑を期待してここに来たのだが気温は25度ほどしかなく、少しがっかり。

中段から周囲を観察すると滝の右岸急斜面に落ち口まで登るルートがあるのか黄色テープの目印が付けられている。以前には中段から岩場をよじ登り落ち口まで行ったことがあるが、今日の靴では無理なので諦める。(落ち口の上は平坦な林の中を沢が流れいて、滝から下の渓谷との違いに不思議な感じがした記憶がある)


帰りに川遊びをする

12:53
裸足のまま滝の下まで下りて、亀ケ壺を後にする。

13:43
ウォータスライダー付きの淵で裸になり(これから亀ケ壺へ行く人が一人通りかかったが、パンツだけは穿いていたので恥ずかしい思いをせずにすんだ)透明な水の中を泳ぐ。水は冷た過ぎず適温で気持ちがよい。

河原川の天然プール
気持ちいいぞ

14:08
体もすっかり冷えたので服を着ていると、5名の若者が手ぶらで登ってきた。しかし、そのうちの一人は鉈目の杉の木から始まる踏み跡に間違えて入ったようで、15mほど上から斜面を木につかまりながら下りてきた。

14:20
破線道分岐の廃屋まで戻ると、そこに車高が高い四駆のピックアップトラックが停められている。先ほどの若者たちが乗ってきたのか、途中に丸太を渡した小橋もあるのによくもここまで乗り入れることができたものだ。

車まで戻る途中も、それから下流側もそこかしこでアウトドア愛好者たちがBQをしたり、水遊びをしている。全部で20グループは超えていたようだ。

皆さんご存知のように、川の上流から見て右手が右岸、左手が左岸と呼ばれている。遡上中の右岸は左側、左岸は右側です。



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