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バスで行く明神山、莇野・馬谷ルート



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平成19年10月7日(日)  メンバー 私だけ

四辻バス停〜かじかの里田中〜莇野・馬谷ルート〜明神山〜Bコース〜前之庄バス停

2万5千分の1地形図「前之庄」を参照すること。


バスで行く山登りシリーズ第?弾

四辻バス停で下車

姫路市夢前町の明神山はなんどもなんども、おそらく20回以上登っているが、西側からの『莇野(あぞの)・馬谷(もうだに)ルート』は一度も登っていない。そして明神山へはいつも車ばかりでバスでは行ったことがない。その『ない』と『ない』を掛けたのが今日のテーマ『バスで行く明神山、莇野・馬谷ルート』だ。

兵庫県の最高峰、氷ノ山でさえ姫路からバスを乗り継いでで行ってしまった(往復交通費400円で行く氷ノ山)私には明神山ぐらい簡単だろうと、神姫バスののぞみNavi時刻・運賃検索で調べると適当な便がない。莇野・馬谷ルートから登ろうとすると姫路駅前発が9時30分の『グリーンステーション鹿ケ壷』が一番早い便で、降車する「四辻」バス停に着くのは10時13分(平日は10時14分)と山登りとしては遅い時間になってしまう。帰りの前之庄からの便は多く問題はないのだが、明神山頂上に昼前に着くことは不可能で、ちょっといやらしい。

またこの便で終点まで行けば雪彦山の西側から東側へと横断する山行(雪彦山、安富町から登り夢前町へ下る)にも利用できるが、当時よりは姫路発が1時間遅くなっていて、私の足では雪彦山下山後の1本しかないバス便に間に合わず、困ったものだ。

夢さき夢のさと農業公園からA〜E・大明神コースを登るなら、姫路駅前から前之庄へは7時40分発・8時23分着の便があるので問題はない。その便に乗り前之庄から農業公園・明神峠を越えれば1時間弱ほど早く莇野・馬谷ルート登山口に着けるが、それでは周回コースになってしまうし、バスを降りてから登山口まで延々と明神峠越えを含め2時間近く歩いてまで時間を稼ぎたくはない。

で結局遅くはなるが、『グリーンステーション鹿ケ壷』行きのバスに乗り、四辻を10時13分に歩き始めることにした。


かじかの里 田中まで35分

10:12
定刻よりも少し早く姫路市夢前町莇野の「四辻」バス停に到着。姫路駅前から42分、料金は830円(私はエコ定期券制度を使って88%引きの100円)で日曜日とあってガラガラの、乗客は多いときで私を入れても3人のバスの旅だった。

四辻で私を降ろしたバスは、中国自動車道の高架をくぐると西へと走り去ってしまうが、私は車道を北へと足を進める。自転車のおっちゃんが「明神山に登るんか?」と話しかけてきて、しばらく二人で明神山談義。おっちゃんは何回も明神山に登っているが、この辺の人たちは毎日見るだけで登らないそうだ。

10:33
播州の秋の風物詩、子供屋台の太鼓の音が遠く近くに聞こえるなかを20分も歩くと、明神山の西に位置する神元神社だ。歩いているのは旧道の細い道で、昔はこれがメインストリートだったのかな。

もうすぐ神元神社だ

神元神社の裏から始まるという「明神山Pコース」は老後の楽しみに置いておくとして、初めて登る莇野・馬谷ルートを目指し、神社から東へと向きを変え集落の中の狭い道を進む。

10:46
集落の中ほどから始まると言う「明神山P2コース」も置いておいて、舗装車道終点となる「かじかの里 田中」前に到着。店員なのか、自転車に乗ったお嬢さんが「おはようございます」と爽やかに挨拶して店へ入っていった。着いていって店に入ろうかと真剣に悩んだが、ここで蕎麦を食べてしまったら蕎麦だけですむはずはなく、また莇野・馬谷ルートが遠ざかってしまう。蕎麦は明日にしようと自分に言い聞かし難を逃れた。

橋を渡ると「かじかの里 田中」

明神山への「莇野・馬谷ルート」へ行くには写真の橋を渡ってはいけない。

橋を渡り「かじかの里 田中」の駐車場の前を通り、林道を10分も行くと二股に出会う。同じような道の左を行くと10分ほどで道は消え踏み跡もなくなってしまう。二股の右を行くと10分ほどで明神峠。さらに30分ほど昔は快適だった道を行くと「夢さき夢のさと農業公園」の駐車場へ行くことができる。だが、そのころには明神山へ登ろうという気力はなくなり家路をたどるだけになることは、昨日経験した私が語っているのだから間違いない。

なお、もうすぐ11時になると開店する「かじかの里 田中」は美味しい蕎麦を食べることができると評判の店で、何度か訪れたことがある。ただしファーストフードに慣れ親しんだ私には、注文してから蕎麦が出てくるまでの待ち時間を持て余してしまう。写真は次の日に妻その1と一緒に食べに行ったときのものだ。

むぎとろ定食(かけそば、むぎとろごはん)
これは、そばぜんざい
(かじかの里 田中 お品書き)
 
冷たいそば
もりそば700円
大盛1,300円
天もりそば1,500円
おろしそば700円
やまかけそば900円
温かいそば
かけそば600円
やまかけそば900円
にしんそば900円
てんぷらそば1,200円
鴨そば1,200円
 
むぎとろごはん500円
 
※むぎとろ定食1,000円
(かけそば、又はもりそば
むぎとろごはん)
※かじかの里膳2,000円
(かけそば、又はもりそば、むぎとろ
あまごの塩焼き、てんぷら)
※あまご膳(予約)3,500円
 
奥播磨 山廃純米700円
奥播磨 心のぬくもり(冷酒)800円
屋久島焼酎 三岳700円
ビール500円
 
ジュース200円
コーヒー300円
そばぜんざい600円
そばがき600円
 
珍味 カラカワ500円
あまごの甘露煮500円
鳥ポン酢800円
てんぷら盛り合わせ900円
あまごの塩焼き800〜1,200円
 
 
営業時間 (11時〜15時)
定休日 (火、水曜日 祝日は営業)
 
※そばアレルギーの方は、お食事をご遠慮下さい。
店主


登山口から頂上まで1時間半??始めは谷を行く

10:48
橋を渡ることなく、また蕎麦の誘惑にも打ち勝つことが出来たら、バスを降りてから約30分で「莇野・馬谷ルート」の登山口にたどり着く。ここまで来たらもう明神山の頂上に登ったも同じだ。

莇野・馬谷ルート登山口

「明神山登山口」と書かれた板と、例の明神山愛好会による登山地図付きの案内板があるので、ここが登山口であるのは明確だ。でも、私がここまでたどり着くのに二日もかかってしまった。

夢前の播磨富士
明神山(668m)・馬谷(もうだに)コース案内図
〜山頂まで2.5km/1時間半〜

(登山コース及び周辺案内図)

<明神山>は私たち一人一人の大切な宝物です
「来た時よりも美しく」運動にご協力ください
明神山愛好会

「来た時よりも美しく」よい言葉だが、明神山を登るたびに雑多になっていくのを感じるのは私だけだろうか。他に類を見ないほどに頂上はパラダイスと化して、私は口をあんぐりと開き唖然呆然とせざるをえない。

地形図を見ると緩い谷筋を登っていくので、本来ならば目だった登りはないはずだが、登山口は「あれぇ」と感じる登りで始まる。これは「馬谷川馬谷砂防堰堤」を越えるためで、乗用車でも草漕ぎをすれば通れる草むした道がしばらく続く。

乗用車も通行可能な道?で始まる

10:56
「砂防指定地 兵庫県」と「兵庫県姫路土木事務酢所」の杭が打たれている手前に、北側の389m標高点のある尾根へと登れそうな切り開きがある。P2コースの精霊が「こっちにおいでー」と誘い込もうとしているが、老後の楽しみが減るので今日は遠慮しておく。

左手にP2コース尾根へ登れそうな切り開きが

谷の周囲は植林地となり極普通の林道となってしまったが、ここまで入る車もないようで轍は全くなく、人が最近入った形跡も感じられない。大人気の明神山にあっても、この馬谷ルートは不人気度一番のようだ。

普通の林道になってしまう

11:02
林道の終点だ。乾いていた道がなぜかグチャグチャになっていて 、踏み跡はなくどこに行けばよいのか迷ってしまう。

林道終点グチャグチャ広場

このグチャグチャ広場で目立つのは「兵庫みどり公社」の表示板が入口に立つ階段道の始まりだ。でもこれを登ってしまってはP2コースの尾根へと誘い込まれてしまうので、けして登ってはいけない。

絶対に登ってはいけない
誘い込まれそうな階段道

箇所番号 04680
公社分収契約地名 姫路市夢前町莇野字滝谷1543−2
造林地・育林地・作業路・管理道・入口付近
みどりあふれる楽しい兵庫づくり
社団法人 兵庫みどり公社

馬谷ルートは実は階段右手へグチャグチャと入った谷に続いているのだ。ここにこそ明確な案内やマーキングがあって然るべき地点だと思うのだが、何もなさそうに見えた。

迷わずに谷に入れたら左岸側にコンクリ簡易舗装の細道が続いている。登山口の案内図にもあったがこの先に「観音滝」ありその観音参道かと思ったが、滝のすぐ上に砂防ダムがありその作業通路だったようだ。

観音滝への観音参道?を行く

11:09
水量が少なく岩肌を流れ落ちるだけで、見栄えのない観音滝に到着。このルートには間違いなくヒルが生息していると思うが、前日に「ヤマビルファイター」を満遍なく登山靴に吹きかけ、おまけに三脚の脚にもかけておいたので被害はなかった。

観音滝

観音滝から右手の「火の用心」木札が下がる踏み跡を登ると、滝の落口近くだ。この莇野・馬谷ルートのマーキングは黄色幅広テープや赤テープもあるが、なんといってもメインは屋根付きの「火の用心」木札だ。ルート上には合計11枚(見落としがなければ)あり、全て同じ姿形で型紙を使った赤スプレー文字で、上三分の一付近に開けられた穴に針金を通し木にくくられている。

私は山中で人工物を見るのは嫌いで、当然ながらこの「火の用心」もゴミにしか見えない。「来た時よりも美しく」に反するものだ。

「火の用心」木札、これは5枚目

11:16
観音滝のすぐ上には砂防堰堤があり、ダムが造られた時に登山道も付け替えられたのか岩肌を削り立派な道が付けられている。でも登山道が六甲の山々のように整備されているのはこのへんまでで、この先はただの切り開きで丸太階段などという無粋なものはない。

観音滝上部の砂防ダムを越えたところ

11:20
流れのない谷の左岸を登って行く。「火の用心」木札は要所要所というか、付けやすい目立ちやすい場所に付けられているだけで、山登りに集中する心を乱すだけで不必要なものがほとんどだ。

「火の用心」はいらない


尾根・尾根・尾根、きつい登りが続く

11:24
谷が左右に別れ、真ん中に小山がある。奥が木々に隠されて尾根の先端が小山に見えるのだが、踏み跡は落葉に隠されているのか、又は元々ないのか左右の谷のどちらに進めばよいのか迷った。でも、小山の下の「火の用心」に「↑明神山」と書き込まれていて、小山を、いや尾根を登ればよいのだと理解した。

ここが頂上へと続く尾根の先端だ

登れば何か見えるかなと軽い気持ちで登った小山は、果てしなく続く急な尾根の始まりだった。切り開きは十分広く左右が切れ落ちた尾根は、何も考えることなくただ上へ上へと登るだけ。切り開きが広いためか蜘蛛の巣は少なく快適だ。

尾根を登る登る、そして登り続ける

明神山の他のコースでは、トラロープが蜘蛛の巣のように張り巡らされた「なんじゃこりゃ」の風景がそこかしこに見られるが、この莇野・馬谷ルートにも最小限のトラロープは張られている。ほとんどはかなり前に張られたようで黄色の色が抜けている。強度的にはまだ問題はないようだが、全面的に信じて全体重を預けるのは止めといた方が賢明だ。

急な露岩にはトラロープが

11:45
尾根を登り始めて20分、ようやく急登は終わったようで極小ピークの先は平坦な尾根道が続いている。「←800」の案内板があり、頂上までこの緩やかな尾根をあと800m歩くだけですみそうな錯覚に陥ってしまった。

微妙に曲がった尾根で、切り開きの両側の樹木のため見通しは悪く外界も見えないための錯覚で、明神山の尖がり具合からこの先はさらなる激登が待っていることは間違いない。

微小ピークを越えると平坦な尾根に

甘い期待は、すぐに激急な登りの前に消え去ってしまう。外界が見えず気分転換が出来ないこともあり辛い登りが続く。

また急な登りが始まる

ほとんどが踏み跡も明確ではない尾根の切り開きだが、ごく一部には岩場もあり気分がまぎれる。尾根の両側ともにこれ以上はないといった落ち込み方をしていて、感覚としては出刃包丁の刃の上を歩いている感じでなのだが、眺望は全く得られないのが残念だ。

岩場の尾根は本の少し

12:07
「←500m」の矢印型案内板が木にくくられている。この案内板は矢印が上を向いていて、まだまだ急な登りが待ち受けているのを暗示しているかのようだ。実際、その先はトラロープも張られた急登だ。

緩やかに見えるがトラロープが必要なほどの急さだ


最後は歩きなれた登山道と合流

12:21
真っ直ぐ登ってきた尾根が、ついに明神山頂上の円錐に突き当り向きを左に変えた。南側が少しだけ開けていて、外界を眺めることが出来る。

尾根が終わった地点からは南側の眺望が

これから合流する「夢さき夢のさと農業公園」からの登山道は右手にあるが、なぜか一度左へと離れてから右へと方向を変えて比較的緩やかに登って行く。

12:26
「莇野方面へ、明神山頂へ、登山口へ(神種方面)」の公設道標があるだけのシンプルな分岐点で、道標の難読漢字には手書きで「アドノ」と「コノクサ」とルビが付けられているが、「アドノ」は「アゾノ」が正しい。

この時はA・Bコースに合流したと思い込んでいたが、ここの「登山口へ(神種方面)」は、明神山から下りてきて八合目莇野分岐のもう一つ下の「莇野方面へ」道標が指し示す踏み跡薄きルートへと続いていることを、この山行記録を書きながら気づいた。

A・Bコースと合流したわけではない

12:30
登山口からおよそ1時間40分、登山口の案内地図によれば頂上に着いているはずの時間だが、ようやく農業公園からの登山道A・Bコースと合流した。道標によればここでここがA・Bコースと合流点だと明確に表示しているが、気持ちの中では数分前に合流しているので「何かがおかしい、何なんだろう」と脳が注意信号を発している。でも何度も登り下りした見慣れた合流点の風景が眼前にあるので、ほっとしたのか無意識のうちに記憶の辻褄を合わせてしまった。

A・Bコースと合流

ここには明神山の風物詩、たくさんの道標板や標語板が立ち、独特の雰囲気の明神山頂上へとへといざなっているようだ。

ここからは大勢の人が登り、沢山の記録も存在するので軽く流しておく。

明神山名物の蜘蛛の巣張りトラロープや、岩場のここに足置け黄色マーキングに助けられながら最後の激急を黙々と登っていくと、賑やかに話しながら下山してくる5人ほどの中高年男性ハイカーとすれ違った。その中の一方は何回か会った人で、向こうも私のことに気づいた。

もうすぐ頂上の激急登り

12:43
トラロープに縛り付けられた「九合目〜あとわずか、がんばれ!〜」。どういう感覚で、いや間隔で付けたのかやけに頂上に近い九合目だ。

12:46
何回目か、多分20回近くになる明神山の頂上に到着。おばさん、いやおねえさんハイカーが二人いたが、私が昼食をとり始めると下山していき、入れ替わりに賑やかな中高年カップルが登ってきて、静かになりかけた山頂は二人の会話の洪水で溺れそうだ。明神山でアイガーやマッターホルンの自慢話をしなくてもよいと思うのだが。

ご飯を食べ眺望を満喫したあと好例になったシェーを行う。

明神山頂上

明神山頂上には色々なものが、何でこんなものまでというほどパラダイスを形成している。らちもないが片っ端から紹介しておく。

噂には聞いていたが、本当に祠があるとは目をこすってしまった。思っていたよりも小ぶりだが、頂上まで搬上するのは大変だったことだろう。抜かりのない明神山愛好会のことだから開眼供養もすませ安全登山に霊験あらたかなことだろう。でも、何かあったら人様に大迷惑をかけることを忘れての、自己責任の登山・ハイキング・そして私のピクニック、神頼みはしたくない。

安全登山祈願大明神の祠


Bコースで下山、前之庄バス停までは40分の車道歩き

13:30
下山開始。下山はBコース。お昼を回っているのに、登っている5人ほどに出合った。

14:43
夢さき夢の里農業公園の駐車場に到着。

駐車場の「夢さきぬくもりの森案内図」(平成10年に作られた案内図で、明神山へのA・Cコース登山道は整備中となっていて困ったものだ)にヤマヒルに注意をもよおすものが貼られている。ヒルは血を吸うだけで病気を移される訳でもなく、野山にはマムシ・スズメバチ・ドクガ・マダニ・ウルシ・ハゼノキなどなどさらに恐ろし動植物がハイカーを待ち受けている。ヒルは血が止まらなくなり靴下が真っ赤になるぐらいで、その日だけでけりがつくし、忌避剤はよく効くし可愛らしいものだ。

ヤマヒル(吸血ヒル)に注意!

最近、明神山でもヤマヒルによる吸血被害が相次いでいます。特に、雨の日や、雨あ上がりのジメジメした日は要注意です。ヤマヒルは忍者のように素早く近づき、靴から人体に取付きます。時々足元を点検し、吸着していないかを確認しましょう!

防ヒルスプレー・塩水スプレー・塩などの忌避剤で予防対策を!

なお至近のバス停は、脇目も振らずに一生懸命に東へ40分歩くと、夢前川の東岸、姫路路市役所夢前事務所北側に「前之庄」バス停がある。今満開の蕎麦の花や彼岸花を愛でながら、のんびり歩いたら1時間ぐらいはかかるだろう。



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