ゆめさきの森公園散策と番城山城跡
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平成16年3月7日(日) メンバー 私だけ
通宝寺山 | つうほうじやま | 319.3m |
番城山 | ばんじょうやま | 214.1m |
2万5千分の1地形図「前之庄」、「姫路北部」を参照すること。
4回目のゆめさきの森公園
夢前町塩田温泉から西へ一山越えると、通宝寺池を中心にして散策路が巡る山々がある。昨年8月9日のオープンから半年たった、周囲の自然を生かした「ゆめさきの森公園」だ。
公園までのアクセスや各種イベント等の情報は「ゆめさきの森公園公式WEBサイト」に任すとして、ここでは散策路の状況を中心に報告する。
過去にゆめさきの森公園へ行った記録は次の三つがある。
「夢前町の通宝寺山ダイレクト」
公園がまだ完成していない2年前の12月に夢前川側から籔を登り尾根の上の遊歩道に達した記録。
「遊歩道で行く通宝寺山」
その二日後に弥勒寺の北で建築中の公園施設を見つけ、道標も立っていない遊歩道を歩いた記録。
「ゆめさきの森公園」
昨年5月に完成目前の「ゆめさきの森公園」を散策した記録。
展望台へ
10:13
久方ぶりに自分で車を運転し、ゆめさきの森公園の駐車場に到着。駐車場は半分ほど埋まっている。
10:23
活動拠点施設から通宝寺池堰堤の下へ行く。立派な木製の道標があり展望台へは600mとなっている。
道標には13と番号が付けられている。活動拠点施設で配布している「ゆめさきの森公園 散策ガイドマップ」にこの道標の番号を書き加え、マップの絵もイメージ的なものではなく正確な縮尺のものにすれば、より実用的なものになると思う。
周囲は植林地だが、適度に間伐・枝打ちされ明るい林となっている。足元には製材クズ?が撒かれクッションが良く足にやさしい道になっている。
明るい植林を抜け、尾根に近づくとこれまた良く手入れされた明るい雑木林となる。
10:41
ゆめさきの森を取り囲む主尾根から内側に突き出した枝尾根に乗る。枝尾根を少し下ると展望台がある。
10:44
展望台に到着。木々の葉が落ちている今はそれなりに展望があるが、葉が茂ったら何も見えなくなってしまうだろう。しかしそのときには里山の木々の緑ををまじかに見ることができる、素晴らしい展望台になると思う。普通の人なら「展望台なのに何も見えないじゃないか」と怒り出すこと必死だろうが。
展望を得るために周囲の木々を伐採している山は数多くあるが、周囲の木々を近くに見ることを目的として展望台を建てるとは侮れない管理人がいる公園だ。
主尾根の立入禁止区間へ
11:00
展望台から枝尾根を東に登り、主尾根に着いた。道標があり南は「古墳の道 1250m」、北は「ツバキの道 450m」、西は「ホオノキの道」となっている。主尾根上の道の名前は「ラクダの背道」なので、南へ1250m行けば「古墳の道」が、北に450m行けば「ツバキの道」があるという意味なのだろうが、今ひとつ紛らわしい表示ではある。展望台からここに登るまでに女性のハイカー二人に出会い、ここでも女性ハイカー3人に会った。
主尾根の公園側は良く手入れされた里山林、外側は自然に任されたシダや常緑広葉樹の低木が茂る籔となっていてその対比が面白い。
主尾根まで登る道は製材された丸太で造られた階段道だが、主尾根では雑木の間伐材を使った階段道となっている。
11:12
その間伐材の階段道がうねうねと、どこまで登るのかなと思う程登った先は四等三角点標石(点名:糸田)が埋まった319.3mピークだ。東側は雑木が茂り展望はあまりよくない。
11:19
三角点ピークから6分ほど北に進むと、主尾根の「ラクダの背道」は終わり、西の支尾根を通宝寺池の北端に下る「ツバキの道」が始まる。
さらに北に延びる主尾根には、
これより先 立入禁止
危険ですので絶対に通らないでください。
という、警告板が立っている。
立入禁止警告板から先は自己責任の世界です。何があろうとも「ゆめさきの森公園」に迷惑をかけてはいけません。またこの文書は立入禁止区域の通過を勧めるものではありません。どのような危険が待ち受けているのかを確認するために人柱となる覚悟の元に決行した自己犠牲もいとわない山行記録だ。
11:28
ゆめさきの森公園の「最高標高地点」に着いた。ここには尾根筋の縦断図があるが、ここを訪れる人はもういないだろう。
ここまでには危険個所はなく、間伐材の階段道も続いていて快適に歩いてこられる。どこから危険地帯が始まるのだろうか。
11:29
行く手に岩場が見えてきて、尾根から公園側に下る分岐道がある。この分岐道は入口こそ間伐材の階段になっているが少し下ると、がれた滑りやすい急な道になり、おまけに不鮮明になり迷うこと必死のトラップのような道になっている。実はこの分岐道は岩場を巻こうとして通された道の成れの果てで、入ってはいけない本当に「立入禁止」の道だ。
11:34
岩場の尾根に着いた。なんてことはない岩場だが、確かに足を踏み外せば、間違いなく取り返しのつかない事になるだろう。
ここを「公園に付属する遊歩道の規格」に即したものにするためには、岩場の始めから終わりまで手摺付きの空中歩道・空中階段を長々と構築しなければならないので、立入禁止にしたのだろうか。
「公園に付属する遊歩道の規格」は私の想像上のものですが、そんな規則がどこかに実在していそうな気がする
岩場で写真を取っていると、若い男女のハイカーに追い越される。立入禁止を無視して入ってくるとは順法精神が欠如した人たちだ。
少し早いが、ここで昼食をとることにする。サンドウィッチを頬張っていると、こんどは単独の男性が通り過ぎていった。決まりを守れない困った人がたくさんいる。
11:58
粉雪が舞い始めた岩場での昼食を終え、さらなる危険を求め北に進むことにする。
12:00
平たい自然石で屋根がかけられた祠があり、石仏が三体祀られている。明治の年号が入っているものもありそれほど古いものではなさそうだ。祠は公園とは反対の「古知之庄」側を向いていている。この辺りが339m標高点のようだ。
岩場を過ぎて、階段が作られていない尾根を下っている時、男性二人のハイカーに出会った。これで立入禁止区間で合計5人に出会ったことになる。
12:10
339mピークの北の鞍部まで下ると、前方に階段道が現れ、その道は鞍部から尾根を外れ公園側に下りていく階段道に続いている。これは岩場を迂回すために作られた巻き道のもう一方の入口だ。入っていくとそれなりにいい道が続くが、尾根道に復帰する手前で不鮮明になり消えてしまうという困った道の入口だ。
立入禁止区間を無事に通り抜けるには忠実に尾根を辿ればいいのだが、北から来た場合この巻き道の階段に惑わされ入ってしまわないか心配だ。
12:20
331mピーク手前の鞍部に着いた。ここにも「立入禁止」警告板が立っている。道標は西に回りこむ主尾根方向は「見晴らしの道」、公園に下る道は「かぜの谷道」となっている。今日はここから公園に下りることにする。
12:36
雑木林の谷をウネウネと下ると植林の中の道となり、通宝寺池から北に延びる道に下り立った。ここは北西の尾根に登る「スギの道」の出発点にもなっている。
道にブルーシートが掛けられなにやら工事がされている。シートを少し持ち上げてみると、石畳が出てきた。この付近は水捌けが悪いのでその改修工事だろう。まさか活動拠点までの道を全て石畳にするわけではないだろう。
12:54
通宝寺池東側の道を通り、活動拠点施設に帰り着いた。
番城山城跡へ
ゆめさきの森公園から夢前川沿いの県道に戻り、暮坂峠越えの道へ向う。夢前川を渡った先の道端にお墓が5基並んでいて、その横に「史跡 番城山城跡」の案内柱が立っている
史跡 番城山城跡 夢前町
海抜217mの山城で、置塩城を守る南の砦として築かれ、山頂から姫路方面や姫路城を望むことができる。これより徒歩30分で頂上で右に折れる。
頂上には三カ所の城跡がある。その最大の城跡は東西7m南北36.9mの人工による平地があり、石垣の一部や瓦片も出土している。
兵庫県自治振興助成施設 文化財標柱
この標柱は、兵庫県の競馬収益金を財源とする自治振興資金の助成を受けて設置したものです。
この「番城山城跡」は「番城」+「山城跡」なのだろうか。はたまた「番城山」+「城跡」なのだろうか。私は後者と考え山の名を「番城山」とした。
13:22
案内柱の後ろから始まる山道を登り始める。シダが茂った植林の中に付けられたそれなりに急な道だが、ステップが刻まれていて登りやすくなっている。
頂上が近づくと緩やかになり、周囲も雑木林になる。
13:40
登り始めてから20分弱で東西に延びた尾根に着いた。ここから西に少し下ると「お盆の送り火」をする場所がある。そこまでは道があるのだが、さらに西の三角点ピークへはシダの茂る踏み跡になる。
13:45
四等三角点標石(点名:南山)と共同受信用TVアンテナがある番城山頂上に到着。南側が開けているが頂上に着いた時から降り始めた粉雪のため遠望は利かない。
姫路城が見えると解説にあったが、途中には200mを越える山もあり本当に見えるのだろうか。いつか天気の良いときに双眼鏡を持って登り確認をしてみたいものだ。すぐ南、ヤマサ蒲鉾の赤い屋根の工場はよく見える。
山城がどの辺にあったのかよく分からないが、予想外に狭い尾根で長屋のような砦が建っていたのだろうか。
13:55
下山開始。
14:17
写真を撮りながらも22分で下山した。普通に下れば15分もかからなかっただろう。
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