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神姫観光富士山登山ツアー(3回目)



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平成17年7月22日(金)〜24日(日)  メンバー 15名+添乗員+ガイド

富士山 3775.6m 山梨県

2万5千分の1地形図「富士山」、「須走」を参照すること。

平成15年版「播外編・富士山バスツアー」、
平成16年版「2回目の富士山バスツアー」、
平成18年版「富士の病(富士山登山ツアー連続4年目)」もあります。


神姫観光の富士山登山ツアーとは

一昨年、昨年に続き、今年も富士山に登ってきた。一昨年は雨の富士登山、昨年は1日目こそ雨に降られたが、二日目は快晴の中を快適に登りそして下ることができた。そして今年は雨模様の2年前と同じような天気で、二日目は雨の夜間登山となってしまった。

平成17年度の神姫観光(神姫バス株式会社 旅行事業部 兵庫県姫路市)の富士登山ツアーは昨年と同様に2種類あり、夜出発の「富士登山 ゆっくり登ろ!コース」と、もう一つは『お鉢めぐり』が設定された「朝出発 お鉢めぐりコース」だ。

後者は神戸発が早朝6時で、姫路の住人向きとは言えず、今回も昨年・一昨年と同じ行程の「富士登山 ゆっくり登ろ!コース」で行くことにした。

富士山 ゆっくり登ろ!コース

■行程 ※ゆっくりと寝ていただく為に「寝袋」をおつけしました。 ※登頂率UP

  1. 姫路(19:50発)⇒加古川(20:20発)⇒神戸(21:20発)⇒新大阪(22:20発)⇒京都(23:20発)⇒(高速道)⇒(車中泊)
  2. ⇒〈富士スバルライン〉※サービスエリアにて自由朝食⇒富士山五合目(休憩・昼食)(7:00頃到着〜11:00頃発)
    ・・・・・・富士山八合目(休憩・夕食・仮眠)(14:00〜15:00頃着)『登頂率UP!!』登山に備えて、たぷり仮眠をおとり下さい。)
  3. 富士山八合目(0:00〜1:00頃発)・・・富士山頂(御来光、自由行動)(4:00〜5:30頃)・・・富士山五合目(10:00頃)⇒
    河口湖(入浴・オプション・自由昼食)(11:00〜13:00)⇒甲州ぶどう農園(お買物)⇒(高速道)⇒京都(20:00頃着)⇒
    新大阪(20:50頃着)⇒神戸(21:30頃着)⇒加古川(22:30頃着)⇒姫路(23:00頃着)

■お宿(仮眠)/太子館または協定山小屋(男女混合の相部屋となります。)
オプション3日目の昼食は別料金となります。(当日添乗員にお申込みください。)

ご注意事項
案内人に従って比較的容易に登ることができますが安全に登山する為に下記の点にご注意下さい。
足腰に不安がある方・幼児の方は参加をご遠慮下さい。
■登山・山小屋
●五合目から山頂までの往復には現地登山ガイドが同行致します。●五合目から山頂までの登山路は往路と復路が異なります。したがって下山時に宿泊の山小屋前は通りません。●大自然の素晴らしさを満喫していただくために事前の健康管理には充分ご注意下さい。
■服装・持ち物
●トレッキングシューズ(砂利が入らないように足首まで覆うもの)●防寒具(ヤッケ・スキーウエアなど山頂の夜明け前は0度近くまで気温が下がります。)●雨具(傘は強風の為危険ですので必ず上下の分かれたカッパをご用意下さい。なお当日レンタルもあります)●手袋●懐中電灯●日よけ用の帽子●水筒●リュックサック(背負えるもの)●タオル等●トイレットペーパー
■ご案内
●登山中は常に案内人の支持に従い行動していただくと共に、現地悪天候及び危険が予測される場合に(落石・雷)は案内人の状況判断で登山を中止させていただくこともあります。また、天候により御来光が見えない場合があります。

《神姫観光のサイトより無断引用》

このツアーの設定日は7月15日から8月26日までの毎日で、料金は昨年より1,000円値上がりして、新大阪・京都発着は日によって違うが19,900円から24,900円となっている(姫路・加古川発着は2,000円増。神戸発着は1,000円増)。

最初は7月24日(日)夜出発分を申し込んだが、人が集まらずにツアー不成立。7月中は3回しかツアーが組めないとのことで、登山道が込むかなと思うが7月22日(金)夜出発分に変更。


新大阪から河口湖口富士山五合目へ

働くことが好きな私は、金曜日の仕事を終えて新大阪からツアーに参加することした。というか、長距離バスが苦手で、姫路よりも2時間半もバスの乗車時間が短い新大阪からの方が気分的に楽だ。

22時前にJR新大阪駅南側の大型バス駐車場に着くと、たくさんの観光バスが客待ちしているが、私の乗るのはまだ来ていない。10人くらいはここから乗車すると思っていたが、それらしき人もいない。

22:14
駐車場をウロウロしていると、神姫バスが入ってきた。ディズニーランド行きかなと近づいていくと、私の乗る富士山行きだった。新大阪からは私一人しか乗車せず、ツアー客はわずか15名だという。40人定員の大型バスに乗客15人+交代の運転手+添乗員の合計17人。一人が2座席をつかえて、ゆったりとしたバスの旅が出来そうだ。

次の乗車地、京都からのツアー客はいなく、一路、富士山河口湖口五合目を目指して高速道路を走り始める。ツアー客15名を紹介すると、お父さんと小学生の男の子と女の子の親子、中年のおばちゃん4人組、お父さんとお母さんと娘さんの親子・二十歳ぐらいの姉妹・それから私を含めた単独中年おっちゃんが3人・それから先週も富士山に登り来週もまた富士山に登るという元気な女性添乗員のノモトさん。

4:10
数度の休憩の後、山梨県甲斐市の双葉サービスエリアに着いた。寝ていたようで添乗員さんの声に起こされて外を見ると、雨が強く降っているではないか。なぜか悲しくなってきた。

このサービスエリアでは早朝にもかかわらず、麺類などの軽食をとることが出来る。昨年・一昨年は行程が遅れていたためか、ここでの休憩時間が短かった。しかし今年は小一時間ほどの時間が取れて、朝食をとるゆとりもある。けれども今までの経験から朝食用のパンを持ってきたため、ここでは300円ほどのサンドイッチを買って食べ、無料のお茶を飲んで過ごした。

休憩中に雨は小降りになってきたが、今年の富士登山も雨からは逃げることが出来ないようだ。


河口湖口五合目

雨は降りやまず、バスは中央高速を一宮御坂で下りる。御坂峠を越え観光ぶどう園が並ぶ中を走り、河口湖大橋を渡り富士スバルラインへと入っていく。相変わらず周囲の景色はよく見えない。

河口湖、富士山は雲の中

富士スバルラインを登るに従い、雨も止み薄っすらと青空も見え出した。五合目は雲の上になっているかもしれない。

6:21
新大阪を出発してから8時間、標高2,305mのレストハウスが建ち並ぶ河口湖口五合目に到着。姫路乗車に比べれば乗車時間が幾分短く前回よりも疲れが少ない感じだ。よし、次は京都乗車にしよう。

河口湖口五合目の雲上閣

頂上までは見えないが、天気はそれなりによくなり、楽しい富士登山が楽しめそうだ。

アミノバリューのペットボトルを1本を受け取り、神姫観光の指定休憩所雲上閣(1階がお土産物店とトイレ《1回50円》・2階が食堂・3階が休憩所)の3階に上がり、登山の準備を整え、不要の品々バスに戻しておく。

雲上閣にはコインロッカーがあり、料金(多分、日数には関係なく1回の使用料金だと思う)は300円・400円・500円で、500円のは大きなザックも入りそう。ただし一番安い300円のは全部使用中だった。

雲上閣のコインロッカー

昼食は10時、登山開始は11時なので十分休養をとることが出来る。持ってきたパンを食べ、1階の土産物を物色しどれを買うか決めておく。下山が遅れた場合はお土産を買う時間もないかもしれないので、時間のある今買ったほうがよいかもしれない。

雲上閣前にある自販機の金額は次の通りで、下界よりも幾分高いが登るほど更に高くなるので、飲料水が無かったらここで買うことを薦める。なお自由に使える水道蛇口なるものは五合目には存在しない。

五合目 雲上閣の物価

缶入りのお茶・コーヒー各種 …… 150円
500mlペットボトル飲料各種 …… 200円

することもなく休憩所で体を横たえていると、良くなってきた天気がなぜか崩れだし、雨が降ってきてガスも流れてくるようになってしまった。なんてこった。

10:00
2階の食堂で昼食をとる。メニューは炊き込みご飯・マカロニサラダ・鳥のから揚げ・タクワン・白身魚のフライ・揚げウインナ・茹でキャベツ・トマト。昨年はそばが付いていたが、今年は固形燃料で暖める関東風味付けの鍋焼きうどん風のものが付いている。味は想像にお任せするが、量は多からず少なからず。

雲上閣の昼食

昼食中にレンタル屋のお兄さんのセールスがある。セパレートの雨具・スパッツ付きが2,500円、スパッツ・ザックカバーはそれぞれ500円だそうだ。

登山開始時刻が近づくと、見通しは悪いが雨があがり始めた。山の天気は変わりやすいとはこのことだが、晴れはしないだろう。五合目にある石碑などの解説文を読んだり、郵便局の前にあるブロンズ像を見たりして、登山開始を待つ。

日本の代表的なシンボル「富士山」の概要

富士山の歴史
富士山の標高は3,776mであり、日本で一番高い山です。この山は、太古の時代から噴火が繰り返されてできた円錐形の火山です。
現在の山の形は約1万年前に形成されたと推定されます。記録に残る最後の噴火は1,707年におきました。

文学や絵画に登場する富士山
古代の詩集「万葉集」の中に富士山に関する最初の記述が見えます。そして、その後、頻繁に日本文学の中に登場してきます。
また、富士山は「北斎」や「広重」による作品など、多数の有名な絵のテーマとなってきました。

富士山に生息する動物や植物
富士山の自然環境は変化に富み、ニホンカモシカ、ツキノワグマ、ヤマネなどの哺乳動物、ルリビタキ、ビンズイなどの鳥類、ダテカンバ、カラマツ、コケモモなどの植物をはじめ様々な動植物が生息しています。
私たちは、今後も、これらの貴重な自然を守っていかなければなりません。

富士山憲章

富士山は、その雄大さ、気高さにより、古くから人々に深い感銘を与え、「心のふるさと」として親しまれ、愛されてきた山です。
富士山は、多様な自然の豊かさとともに、原始林をはじめ貴重な動植物の分布など、学術的にも高い価値を持っています。
ふじさんは、私たちにとって、美しい景観や豊富な地下水などの恵みをもたらしてくれます。この恵みは、特色ある地域社会を形成し、潤いに満ちた文化を育んできました。

しかし、自然に対する過度の利用や社会経済活動などの人々の営みは、富士山の自然環境に様々な影響を及ぼしています。富士山の貴重な自然は、一度壊れると復元するのは非常に困難です。
富士山は、自然、景観、歴史・文化のどれひとつをとっても、人間社会を写し出す鏡であり、富士山と人々との共生は、私たちの最も重要な課題です。
私たちは、今を生きる人々だけではなく、未来の子供たちのため、その自然環境の保全に取り組んでいきます。
今こそ、私たちは、富士山を愛する多くの人々の思いを結集し、保護と適正な利用のもとに、富士山を国民の財産として、世界に誇る日本のシンボルとして、後世に引き継いでいくことを決意します。

よって、山梨・静岡両県は、ここに富士山憲章を定めます。

  1. 富士山の自然を学び、親しみ、豊かな恵みに感謝しよう。
  2. 富士山の美しい自然を大切に守り、豊かな文化を育もう。
  3. 富士山の自然環境への負荷を減らし、人との共生を図ろう。
  4. 富士山の環境保全のために、一人ひとりが積極的に行動しよう。
  5. 富士山の自然、景観、歴史・文化を後世に末長く継承しよう。

      平成10年11月18日    山梨県・静岡県

郵便局前のブロンズ像


五合目から八合目太子館へ

ここからようやく富士山登山記録が始まるが、団体行動では、好き勝手に立ち止まって写真を撮ることも出来ず、ログもとらなかったので、正確さには大分欠けている。おぼろげな記憶にだけに頼る私の記録よりは、太子館登山ガイドツアーのご案内を見てもらったほうがよいだろう。

10:48
雲上閣前の広場に集合。雨は上がったが、いつ降るか分からないような天気で、カッパ上下は着たまま。今日から我々を富士山頂上まで導いてくれるガイドはイワモトさん。

添乗員のノモトさんとガイドのイワモトさん

11:02
富士登山の簡単な注意事項説明を受け、富士山をバックにした集合記念写真を撮り、神姫観光の名入りの黄色いゼッケンをつけて、今夜のお宿、八合目「太子館」を目指し登山開始。

河口湖五合目から緩やかに下る広い道を行く。遠望は全く利かずただ黙々と歩くのみ。

許可された車は6合目まで行ける

11:18
泉ケ滝分岐を右に入り六合目を目指し、少し山登りらしい道となる。ここからは頂上まで登るばかりで下りは全く無い。

昨年はホタルブクロがたくさん咲いていたが、今年は季節が進むのが早くシャクナゲやオレンジ色のユリの花が咲いている。ガイドさんに教えてもらった花の名を、脳みその隅々まで探索しても痕跡すら見つからない。3回目の富士登山で全体的に緊張感に欠けていたようで、右耳で聞いたのが左耳に抜けていっていたようだ。

富士山に咲いていた小ぶりなユリの花

11:56
最初の休憩地点、六合目富士山安全指導センターに着いた。ここから下山道と分れ九十九の砂礫の道を七合目を目指すことになる。

富士山安全指導センターで休憩

富士登山のみなさんへ

富士山へようこそ……・富士登山が、この夏の楽しい思い出となるよう安全登山に御協力をお願いします。

富士登山安全指導センター(富士山6合目)
TEL 0555(24)6223


◎富士山下山道七合目公衆トイレの使用について

このトイレは、国立公園内の自然条件がきびしく、水も電気もない場所でも、大切な自然を守りながら、清潔で快適に使用できるよう工夫したトイレです。

−あなたの真心を富士山の環境保全に−
環境と保全と快適利用のためにチップ(100円程度)をお願いします。

あなたの真心は、トイレの管理に役立てられ、環境保全や皆さんの快適利用につながります。

※ マナーを守って、きれいに使いましょう。


下山道注意!!
下山のとき(須走口江戸屋分岐点)おり口を間違えないように!!



《簡単なルート図、タイムチャートは省略》



※下山道は本八合目より安全指導センターまで約120分
 下山道には山小屋はありません
※頂上のお鉢めぐりは1週約60分
※時間はいづれも休憩時間は含みません

富士山安全指導センター
富士吉田警察署
(事務局 山梨県富士吉田市役所)

6合目からは登山道は九十九になる。九十九の間には落石止めの巨大な構造物があり、登山道沿いにも落石除けが続く。傾斜は緩やかだが同じような道が折り返しても、折り返しても続く。小学生の女の子も元気で、神姫観光富士登山隊の15人+2人はコンパクトにまとまり快調に登っていく。

上は大分晴れてきたが

下界は雲に覆われている

13:08
七合目「花小屋」がもうすぐだ。登山道は砂礫の九十九道から、ゴツゴツした岩稜帯の登りになり、今夜のお宿「太子館」まで続く。壁のようにそそり立つ岩場は無く、三点確保も必要なく、浮石も無く、一歩一歩注意して足を置いていけば問題は無い。ただ空気が大分薄くなってきているので息は苦しくなってきた。

七合目「花小屋」直下の岩場

13:12
「花小屋」前に着いて休憩。ここで標高2,700mで、すでに400m登り太子館まではあと300m。

休憩といっても山小屋前のベンチに座るだけで小屋の中には入ったりしない。ラーメン・うどんが700円、カップヌードルが500円、各種飲料水・携帯酸素・懐中電灯・電池・写るんです・軍手などを売っている。

小屋の屋根を見ると、去年までは無かったアンテナが付いている。鉄パイプの短管を用いてしっかりと固定されている。

山小屋に付いているアンテナ

ウェブで調べたら、株式会社ナテックの長距離伝送用2.4GHz無線LANアンテナのようで、山小屋間の通信に使用しているのだろが、どのように利用しているのか興味があるところだ。

小屋の間は岩稜帯が続く

13:42
日出館」「七合目トモエ館」を通り抜け「鎌岩館」で休憩。

七合目 鎌岩館の物価

うどん …… 600円
おでん(玉子入り) …… 600円
カップラーメン(各種) …… 400円
みそ汁 …… 300円
ホットコーヒー …… 300円
ホットレモンティー …… 300円
水(ペットボトル) …… 400円
ポカリスエット(ペットボトル) …… 400円
そう健美茶(ペットボトル) …… 400円
まろ茶(ペットボトル) …… 400円
アクエリアス(カン) …… 300円
コカコーラ(カン) …… 300円
リポビタンD …… 300円
オロナミンC …… 300円
キリンラガー(カン) …… 500円
アサヒスーパードライ …… 500円

14:07
富士一館」は通り過ぎ、赤い鳥居の「鳥居荘」で休憩。今回のツアーは人数が15人と少なく、足が極端に遅い人もいなく、列が短いため一緒に同時に休憩できる。去年は足の極端に遅い亀爺がいて、亀爺を待ち休憩を始めるので、歩くペースは同じくらいなのだが休憩時間が長引き、この鳥居荘に着いたのは50分遅れの14:55だった。

東洋館から見下ろす鳥居荘

14:20
「東洋館」前で休憩。館内に張ってあるメニューは次のようなものだが、2,000円のウヰスキーは市販価格500円ほどのミニボトルなのだろうか。

七合目 東洋館の物価

ハンバーグ定食 …… 1,260円
カツ丼 …… 1,050円
親子丼 …… 1,050円
おにぎり弁当 …… 1,050円
醤油ラーメン …… 700円
肉うどん …… 700円
ビール …… 600円
日本酒 …… 600円
ウヰスキー …… 2,000円
ジュース …… 350円〜
コーヒー …… 400円
ココア …… 400円
甘酒 …… 400円
おしるこ …… 400円
ポタージュスープ …… 400円
味噌汁 …… 400円
お茶 …… 300円
オレオビッツサンド …… 300円
スニッカーズ …… 300円
甘栗 …… 300円
カロリーメイト …… 200円
キットカット …… 200円

14:44
標高3,000mを超えた「太子館」直下の岩場で本日最後の休憩。高山病の初期症状か、かなり辛そうな人が出てきた。幸いにも私は高山病にかかる体質では無いようで、3回の富士登山ともなんともないが、呼吸は更に苦しくなってきた。

相変わらず下には雲がある

太子館がすぐ上に見えている


八合目太子館

15:01
八合目「太子館」に到着。五合目からジャスト4時間、予定通りの時刻に到着。ガイドさん曰く、「こんなの初めてだ」。

女性のグループ・男女のグループ・男単独の順に入館し、階段を登り最上階の寝室に案内される。下の階は二段の寝室だが、最上階は屋根の直下で、広々とした開放感にあふれた造りになっている。我々、神姫バスツアーは、本日最初の到着団体なので一番よい寝室に案内されたのだと思う。

太子館の寝室

昨年は寝袋だけだったが、今年は幅が狭い敷き布団が付いている。一人分の幅は畳の半分45cmほどで、頭を同じ方に向けるとかなりきついが、互い違いにして寝てみたら結構広々と寝ることが出来た。

15:25
着替えたり、荷物の整理をしていると晩御飯の用意が整い、1階の食堂に下りていく。込んでいるときはテーブルに全員が座るのが物理的に不可能なほど詰め込まれるが、今日は広々とゆっくりと食事が出来る。

太子館の晩御飯

メニューは去年と同じカレーライスで、おかず(焼き魚・ミートボール・漬物・福神漬け・ドライフルーツ・富士山饅頭)が別の容器に入っている。カレーの量は昨年と同じに少ないが一応ご飯のお代わりもできる。あと「食べる酸素」の試供品数粒が付いていて、デザート代わりにがりがりと噛み砕いて飲み込んだが、効果のほどは分からなかった。なお味についての論評は控える。

ガイドさんより明日の予定と、リタイアなどの説明を受ける。1週前はひどい渋滞にあったので、その時よりも30分繰り上げ午後11時に出発するとのこと。それでもあと5時間は休憩できる。

寝室に引き上げる時、明日の朝食を受け取ったが、温められた「マルちゃんの五目釜飯」170g・スプーン付きと、薄切り食パン2枚のジャムサンド、そして500mlペットボトルのミネラルウォーター1本。水以外は家まで持ち帰ってしまい、デッドウェイトが増えただけだった。

家まで持ち帰った朝御飯

外に出てみると、天気は次第によくなってきていて、続々と人々が登ってくる。これなら、明日は天気はよさそうだなと信じようと努力し、寝室に戻る。

太子館へと登る人たち

八合目 太子館の物価

水(ペットボトル) …… 500円
お茶(ペットボトル) …… 500円
ポカリスエット(ペットボトル) …… 500円
スニッカーズ …… 250円
ホットコーヒー …… 400円
ホットココア …… 400円
コーンポタージュ …… 400円
キャラメル …… 200円
カップラーメン …… 600円
オレンジジュース …… 300円

寝室に戻り寝袋に入り、耳栓をつけると周囲の音も聞こえなくなったが、寝付かれない。16時半過ぎ建物は揺れないが、背中に最初は弱い縦揺れ、次に横揺れを感じた。千葉県北西部を震源とした、都内でも震度5強を観測した大き目の地震だった。

22:30前
ヘッドランプで顔を照らすものがいる。耳栓を外すと周囲のざわめきが耳に飛び込んできた。私の両側の単独おっちゃん二人は、すでに寝具をたたみザックもなくどこかに行っている。気の早い人たちだ。

「雨が降っている」と言う人がいる。カッパを身に付け、スパッツを巻き、荷物の整理をしていると外に出て集合するようにとの宿の人が知らせに来た。


八合目から富士山頂上へ

玄関で登山靴を履き外に出てみると、言葉通りに雨が降っている。強くはないが雲の中に入ったような細かな水滴が斜めに降っている。ここでリタイアしようかと真剣に悩む。

23:01
ツアーは雨が降っても登る。ここで親子2組の6人がリタイアし、神姫観光登山隊は9人+添乗員+ガイドの11人になってしまった。雨は降るし人数も少なくなり淋しいし、写真は撮り難いし困ったものだ。予定通り23時に頂上を目指し出発。

雨が降る中で登山の注意を受ける

「太子館」から一つ上の「蓬莱館」までは岩稜帯だ。ヘッドランプの光が雨に遮られ、メガネは曇り、手探りならぬ足探りの登山だ。ここの岩は濡れていても滑りにくいのが幸いだ。

「蓬莱館」からは砂礫の道となる。七合目までの砂礫の道よりもだいぶ傾斜が増した感じで、空気も薄く休憩する間隔が短くなる。また体を冷やさないように休憩は短時間だ。

個人客は少なく、9割以上がツアーだ。どのツアーもバスに詰め込まれて来たようで、40人以上の長い列を作っている。しかし神姫観光富士山頂上アタック隊は少人数で、少しの場所があればまとまって休憩でき、出発するときは長い団体と団体の間に割り込ませてもらいやすく、小回りが利く。

0:52
出発してほぼ2時間、「白雲荘」「元祖室」「富士山ホテル」や道端で休憩しながら「八合目トモエ館」に付いた。ここが頂上までの最後のトイレ休憩になる。相変わらず細かな雨が降り続いている。

八合目トモエ館で休憩

九合目の鳥居を通過。出発が早かったためか数珠繋ぎではあるが、完全に停止することもなくボチボチのペースで登ることが出来る。周囲は真っ暗で、おまけに下ばかり見ながら荒い息で登っていたので、何も見えないし、何も記憶に残っていない。

頂上近くは再び岩稜帯となり、更に混雑してきたが、空気が薄く普通に登れないので、休み休みのペースがちょうど良かった。富士スバルラインのマイカー規制が7月27日(水)から始まるので、もっと込むかと思っていたが天気が悪くて個人客が少なく、大渋滞を体験することが出来ず残念だった。


富士山頂上

3:28
鳥居をくぐり狛犬の間を通り、富士山頂上に着いた。3775.6mの三角点(点名:富士山)が富士山の頂上だという人もいるが、ここも立派な富士山の頂上だ。

昨年までは「山口屋」がツアー指定休憩所だったが今年から「東京屋」に変わっている。確かに「山口屋」の従業員の対応は良くはなかった。

店内奥にはツアー客がすし詰めに座っている。まだ早い時間なのに、食事が出せるという。私は800円の「しょうゆラーメン」を注文したが、どのメニューもインスタント食品ではあるが、温かいラーメンは美味しかった。

わかめとハムが載ったしょう油ラーメン

頂上 東京屋の物価

ビーフカレー …… 1,200円
ハヤシライス …… 1,200円
カレーライス …… 1,200円
天ぷらうどん …… 1,000円
御来光うどん …… 900円
ホットココア …… 400円
美味うどん …… 800円
みそラーメン …… 800円
ラーメン …… 800円
おしるこ …… 600円
みそ汁 …… 500円
HOTコーヒー …… 500円
甘酒 …… 400円
コーンスープ …… 400円
ホット牛乳 …… 400円
紅茶 …… 400円
お茶 …… 300円

紅茶はおそらくティーパックだろうが、最後の300円のお茶はどんなものだろうか。一袋10円ほどの粉末緑茶のお茶なのだろうか。また、いろいろとお土産が取り揃えられていたが、お土産を見る気力はないし、荷物は増やしたくないし、ザックカバーを外しザックを開けるのもめんどくさいし、毎回何も買わない。家に帰ったら、何でもいいから買っておけばいい記念になったと思うが、今度登った絶対になにか買おう。

小屋の奥に閉じこもっていてもしょうがないので外に出ると、雨は大分小降りになり、風はほとんどなく、寒くもなく過ごしやすくなってきた。トイレへ行くと立派な管理人がいる小屋になっていて200円も取られた。個室がたくさんあって行列はできていなかったが、時間によっては凄いことになるのかなと思う。

頂上 自販機の物価

缶コーヒー …… 400円
小さなペットボトル …… 400円
500mlペットボトル …… 500円

見えるはずもない御来光を待ち望む人々が東の空を見つめている。今日は見えないって。

見えるはずのない御来光を待つ人たち

4:30
東京屋の前に一旦集合し、お鉢を見に行く。暗くてよく見えないが、落ちたら這い上がるのが大変そうだ。御来光時刻まで小屋前で待機し下山することになった。


頂上から五合目へ

4:49
下山開始。雨はほとんど止んでいる。
登山道と下山道は別になっている

河口湖口の下山道は八合目までは須走口下山道と一緒で、九十九折れの砂礫の道だ。ザックザックと気軽に下りて行けるが、油断すると足をとられ転びそうになる。

登山道の様子を見ると登山者が数珠繋ぎになり、ほとんど動いていないように見える。団体が他の団体を追い越すことは出来ないので停滞してしまうのだろうが、個人客ならその横をすり抜けていけそうな込み具合だ。

アリの行列のような登山者、ほとんど動いていない

下山は九十九に下りていく。砂礫の道は天気がいいと砂埃がすごいそうだが、一度も経験したことがない。マスクを毎回用意しているのに使ったことが一度もない。いつか本当の晴天の富士山を登り下りしてみたいものだ。

5:29
八合目江戸屋」の手前で休憩。下山者も列を作っているが渋滞することは全くない。

下山者の行列は順調に下っている

7:04
長かった九十九の道がようやく終わりが近づき、最後から三つほど手前の曲がり角に「富士山公衆トイレ」がある。燃料を使い乾燥するという恐ろしくコストのかかる方法で処理をしている。

あなたの真心を富士山の環境保全に

環境の保全と快適利用のためチップ
(100円程度)をお願いします。

あなたの真心は、トイレ管理に役立てられ、環境保全や皆さんの快適利用につながります。

このトイレは、国立公園内の自然条件がきびしく、水も電気もない場所でも、大切な自然を守りながら、清潔で快適に利用できるように工夫したトイレです。
平成9年7月から供用を開始して以来、数多くの皆様に、ご利用していただき、ありがとうございます。
皆様に快適に利用していただくために、環境庁、山梨県、地元市町村のほか、富士山旅館組合が経費を出し合い、協力して清掃などの維持管理に当っておりますが、かかる費用は、全体で約1,000万円(使用期間1日当り約17.5万円)となっております。
こうした状況のもと、今後も、より快適なトイレをめざして、今年度からチップ制を始めました。
皆様のご理解とご協力をいただけたら幸いです。
チップ制とともに、一人でも多くの方が快適にトイレを利用できるよう、心がけてください。皆様のご支援、ご協力を重ねてお願い申し上げます。

富士吉田口七合目トイレ維持管理運営協議会

疲れて寝転ぶ神姫観光登山隊員2名

頂上から数えて47番目の曲がり角を過ぎると、長かった九十九道が終わる。六合目の安全指導センターまでには落石避けのシェルターが三つある。シェルターの上に乗っている岩を見たらとても外側を歩く気にならないが、疲れた下山者は段差がなく歩きやすい外側を平気で歩いていく。

7:47
河口湖富士山安全指導センターに着いた。

今回のメンバーはまだまだ皆元気だ

泉ケ滝分岐までは下り坂が続き、疲れた足に追い討ちをかけてくる。最後の緩い上り坂は疲れた足には、下りよりも歩きやすいが、小雨が再び降り始めカッパを羽織ると、暑さが疲れにさらに追い討ちをかけてくる。もうへとへとだ。

8:34
河口湖口五合目にようやくたどり着いた。雲上閣玄関に張り出されている登山者名簿にマルを付け、缶ビールを買って3階の休憩室に上がりひと休みする。冷えたビールがあまり美味しくない。かなり疲れているようだ。


五合目から姫路へ

1階の土産物屋でお土産を買ったりしているうちに、神姫バスが来て乗車する。登山靴を脱ぎサンダルに履き替える。

10:00
予定通りバスは五合目を後にしてフジスバルラインを快調に下り川口湖畔へ。

ガイドのイワモトさんに見送られ、バスは出発

10:58
河口湖「富士健康センター」に着いた。ここで風呂(天然温泉ではないようだ)に入り、昼食をとることになる。いま一つな施設だが、風呂は広いし気持ちはいい。

ゆっくりとお風呂につかり、畳敷きの大広間へ行くと、ハワイアンショー(ダイヤモンドスターズ)が始まるところだ。温泉地でこんなショーを見るのは、子供の頃の行った船橋ヘルスセンター以来だが結構楽しめた。。

富士健康センターのハワイアンショー

メニュー

◎おつまみ
ところ天 …… 263円
冷奴 …… 315円
枝豆 …… 315円
トマトスライス …… 315円
オニオンスライス …… 315円
つけもの …… 315円
いか納豆 …… 315円
ナムル …… 420円
もろきゅう板わさ …… 420円
辛口ウィンナー …… 420円
もずく酢 …… 420円
自家製もつ煮込み …… 420円
イかバター焼き …… 420円
野菜サラダ …… 420円
ほっけ焼き …… 525円
野菜炒め …… 630円
おでん(冬季限定) …… 420円
 
◎セットメニュー
漬物・冷奴・もつ煮 …… 980円
トマトスライス・枝豆・げそ揚げ …… 980円
オニオンスライス・ポテト・もろきゅう …… 980円
 
◎あつあつ揚げ物
鳥の唐揚げ …… 420円
いかのげそ揚げ …… 420円
ポテトフライ …… 315円
コロッケ(2個) …… 210円
あじフライ(2枚) …… 315円
 
◎御飯物
エビフライ定食 …… 1,050円
とんかつ定食 …… 1,050円
野菜炒め定食 …… 840円
五目御飯 …… 840円
かつ丼 …… 840円
玉子丼 …… 630円
ピラフ(ミニサラダ付) …… 630円
カレーライス(ミニサラダ付) …… 630円
カツカレー(ミニサラダ付) …… 945円
  (ライス大盛りは105円増し)
おにぎり1個 …… 137円
  うめ・こんぶ・おかか
ライス …… 210円
  (ライス大盛りは105円増し)
ライスセット …… 315円
 
◎めん類 …… 
醤油ラーメン …… 473円
味噌ラーメン …… 578円
焼きそば …… 473円
冷やし中華(夏季限定) …… 630円
山菜うどん・そば …… 473円
月見うどん・そば …… 473円
ざるそば …… 473円
ざるそば大盛り …… 630円
ざるうどん …… 473円
  (つけ汁は温・冷とあります)
 
◎アルコール
生ビール(中) …… 683円
生ビール(大) …… 840円
ビンビール(大瓶) …… 683円
 …… 420円
大関生酒(冷酒) …… 420円
焼酎(水割り・お湯割り) …… 315円
レモンサワー …… 420円
ウーロン茶割り …… 420円
ウイスキー水割り …… 315円
焼酎ボトル20度 …… 1,260円
焼酎ボトル25度純・サザン …… 1,575円
ウーロン茶ボトル …… 630円
ウイスキーボトル …… 5,250円
  *ボトルキープは3カ月とさせていただきます
氷セット …… 158円
レモンスライス …… 158円
梅干し(3ケ) …… 210円
 
◎ソフトドリンク
トマトジュース …… 210円
オレンジジュース …… 315円
コーラ …… 315円
ホットコーヒー …… 210円
アイスコーヒー …… 315円
ウーロン茶 …… 210円
かき氷(イチゴ・メロン)(夏季限定) …… 315円

山小屋のメニューに比べたら、バラエティに富んでいて、その上安価だが、ポピュラーというか特徴がないというか、単価が高くなってももっと地域色を前面に押し出したものがあったほうがいいと思うのは、私だけではないだろう。

添乗員さんがバスの中で「野菜炒めに肉は入っていません」と言っていたが、昨年も食べて美味しかったので「野菜炒め定食」と「生ビール(大)」を注文する。日曜なのにお客さんは少ないが、ハワイアンショーを見ながら美味しくい頂いた。

野菜炒め定食

駐車場のバスに戻ると、写真屋さんが待っていて、登山開始前に撮った集合写真を売りつけられた。1枚1,000円だが、サービスに残雪の残った富士山が合成されていて面白い写真だ。

13:00
富士健康センターから、次は「東邦観光園」に向かう。今の時期は桃が旬のようだ。

13:28
東邦観光園に着き、ここで5個2,000円の温室育ちのモモを買う。一箱1,000円からあったが、値段相応で2,000円のはとても甘く、私の帰りを待ちわびていた?家族も美味しそうに食べていた。

東邦観光園

13:51
東邦観光園を出て、中央高速・名神高速と乗りついで神戸を目指す。

渋滞・事故もなくバスは快調にひた走る。数時間おきにサービスエリアに入り、弁当とお茶を買っておく。(帰りはサービスエリアで食事をする時間はとらない)

19:16三宮で5人下車、20:00加古川で5人下車と予定よりも大分早い。

20:27
予定より2時間半早く姫路駅南側バスターミナルに到着。京都と新大阪に寄らず、渋滞が全くなかったのが原因だろうがえらく早く着いてしまった。路線バスで家まで帰還する。


山行当日の気温など

気象庁のウエブサイトより。

2005年7月23日11時〜24日9時の富士山山頂の気象

  現地気圧  気温  相対湿度  日照時間 
 時刻  hPa  ℃  % 時間
11時646.55.6100--
12時646.46.31000.1
13時646.36.6990.1
14時646.06.399--
15時646.05.6100--
16時646.15.8100--
17時646.05.5990.3
18時646.05.41000.1
19時646.15.0100--
20時646.55.4100
21時646.85.6100
22時646.85.6100
23時646.75.5100
24時646.55.5100
1時646.35.6100
2時646.15.6100
3時646.45.6100
4時646.55.7100
5時646.75.6100--
6時646.95.51000.1
7時646.96.61000.7
8時647.07.2100--
9時647.17.8100--
10時647.27.1100--

最低湿度99%〜最高湿度100%、これでは天気が悪いわけだ。



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