富士の病(富士山登山ツアー連続4年目)
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平成18年7月28日(金)〜30日(日) メンバー 31人+添乗員+ガイド
新大阪駅〜北口本宮富士浅間神社〜河口湖口五合目〜八合目太子館〜富士山頂上
〜河口湖口五合目〜西湖温泉いずみの湯〜姫路駅
2万5千分の1地形図「富士山」、「須走」を参照すること。
平成15年版「播外編・富士山バスツアー」、
平成16年版「2回目の富士山バスツアー」、
平成17年版「神姫観光富士山登山ツアー(3回目)」もあります。
毎年恒例の
富士登山の季節が巡ってきて、今年も神姫観光の「ゆっくり登ろ!コース」で行くことにした。4回目なので別のプランか別の旅行社にすればと自分でも思うのだが、姫路発の富士山登山ツアーは神姫観光しかないし、あと2種類のプラン「朝出発 お安くいくなら 早まわりコース」と「朝出発 お鉢めぐりコース」はともに設定日が少なく、「早まわりコース」の早朝6時三宮発では姫路駅から始発に乗っても間に合わずと、結局「ゆっくり登ろ!コース」を選ぶしかない。
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……神姫観光のページより無断引用……
平成18年ので、毎年微妙に変化していくので、必ずパンフレットや神姫観光のウェブサイトで最新情報を入手すること。富士登山
初めての方にも安心して登頂をめざせるコースをご用意しました。
- ぐっすり眠れる寝袋付
「朝出発 お鉢巡りコース」の1日目、「朝出発 早めぐりコース」を除く
富士登山の山小屋といえば雑魚寝が定番ですが、ゆっくりお休みいただけるようにおひとりお一人に寝袋をご用意致しました。ぐっすり眠れて登頂の確率もUP!- ゆっくり行程で高登頂率
富士登山で一番心配なのは高山病!その一番の原因は速すぎるペースで歩いてしまうこと。ゆっくり行程こそ高山病にならず登頂の確率を上げる秘訣です!- バス1台につき1人ずつ添乗員同行さらに五合目〜山頂間登山ガイド同行
登山のプロと添乗員があなたの登山をサポートするから安心!<ご注意事項>
案内人に従って比較的容易に登ることができますが安全に登山する為に下記の点にご注意下さい。
足腰に不安がある方・幼児の方は参加をご遠慮下さい。
■登山・山小屋
●五合目から山頂までの往復には現地登山ガイドが同行致します。●五合目から山頂までの登山路は往路と復路が異なります。したがって下山時に宿泊の山小屋前は通りません。●大自然の素晴らしさを満喫していただくために事前の健康管理には充分ご注意下さい。
■登山時の心得
●登山中は常に案内人の指示に従い行動していただくと共に、現地悪天候及び危険が予測される場合に(落石・雷)は案内人の状況判断で登山を中止させていただくこともあります。また、天候により御来光が見えない場合があります。
●心臓、呼吸器、循環器系等に持病のある方は医師と相談のうえ参加してください。●頂上では気温が氷点下になることもあり、悪天候時には気象条件は非常に過酷なものとなるので、冬場のつもりで防寒具を用意し、雨具を必ず持参してください。●懐中電灯や手袋(軍手)もご準備ください。●雨は下から吹き上げるのでレインズボンが必要です。●レインコートは丈夫なものをご利用ください。(ゴアテックスなど)●靴は砂が入らないように、足首まで入るキャラバンシューズなどがよいでしょう。靴下は厚手のものを。●お客様の体力によっては、団体行動であり、スケジュールの関係上時間に制約があるためリタイアを薦めることがあります。●お鉢めぐり付きツアーでない場合、お鉢めぐり(剣ケ峰登頂を含む)は一切行わないでください。(お鉢めぐりには2時間ほどの所要時間が必要です)●ガイドの指示には必ず従ってください。●富士山では水は有料です。
■必要なもの
●ザック●トレッキングシューズ●帽子●雨具●トレーナー●長袖シャツ●中厚ソックス●着替え用肌着●水(500mlペットボトル等)●フリースなどの防寒着(山小屋宿泊には必須)●ゴミ袋(ゴミは持ち帰りましょう)●トイレットペーパー(水にとけるもの)●ヘッドランプ・懐中電灯(夜間登山コースのみ)
■あると便利なもの
トレッキングポール・サングラス・携行食(チョコレート・チーズ等)・医薬品・カイロ・酸素ゆっくり登ろ!コース
出発日別旅行代金・カレンダー (最少催行人員28名)
旅行代金(大人・小人/おひとり様)
19,900円 20,900円 21,900円 22,900円 25,900円
※上記は新大阪・京都発着の旅行代金です。
(姫路・加古川発着は2,000円増。三ノ宮発着は1,000円増となります。)
7月 日 月 火 水 木 金 土 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
8月 日 月 火 水 木 金 土 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 赤文字日程は1名様より出発保証
■行程 ※ゆっくりと寝ていただく為に「寝袋」をおつけしました。 ※登頂率UP
- 姫路(19:50発)⇒加古川(20:20発)⇒神戸(21:20発)⇒新大阪(22:20発)⇒京都(23:20発)⇒(高速道)⇒(車中泊)
- 北口本宮冨士浅間神社(登山の安全を祈願)(5:30〜6:00)⇒〈富士スバルライン〉⇒富士山五合目(休憩・昼食)(7:00頃到着〜11:00頃発)・・・・・・
- 富士山八合目(休憩・夕食・仮眠)(14:00〜15:00頃着) 『登頂率UP!!』登山に備えて、たぷり仮眠をおとり下さい。
富士山八合目(0:00〜1:00頃発)・・・富士山頂(御来光、自由行動)(4:00〜5:30頃)・・富士山五合目(10:00頃)⇒
西湖(ご入浴・ご昼食)(11:00〜13:00)⇒(高速道)⇒京都(20:00頃着)⇒新大阪(20:50頃着)⇒神戸(21:30頃着)⇒加古川(22:00頃着)⇒姫路(23:00頃着)■お宿(仮眠)/太子館または協定山小屋(男女混合の相部屋となります。)
朝出発 お安くいくなら 早まわりコース
(最少催行人員28名)
旅行代金(大人・小人/おひとり様)
8月23日(水) 8月28日(月) 8月30日(水) 15,800円
※上記は新大阪・京都発着の旅行代金です。
(三ノ宮発着は1,000円増となります。)■行程
- 三ノ宮(6:00発)⇒新大阪(7:15発)⇒京都(8:30発)⇒(高速道)⇒〈富士スバルライン〉⇒富士山五合目(夕食)(16:30頃着)・・・・富士山七合目(泊)(21:30〜22:30頃着)
- 富士山七合目(0:00〜1:00頃発)・・・・・・・冨士山頂(御来光・自由行動)(4:00〜5:30頃発)・・・・富士山五合目(10:00頃)・・・・西湖(ご入浴・ご昼食)(11:00〜13:00)⇒京都(20:00頃着)⇒新大坂(20:50頃着)⇒三ノ宮(21:30頃着)
■お宿(仮眠)/七合目 花小屋他 (男女混合の相部屋となります。)
※このコースは登山中級者向けコースです。体力に自信のある方にお勧めいたします。
朝出発 お鉢めぐりコース
●お鉢めぐりとは・・・
富士山の火口を1周することを「お鉢めぐり」といいます。富士山の火口は直径600m、1周すると歩行距離3km、所要時間約1時間半かかります。日本最高地点(3776.2m)はお鉢めぐりの途中、剣ケ峰にあります。ここはかつて富士山レーダーがあった場所としても有名です。このほかにも、日本最高所にある富士山頂郵便局から暑中見舞いを送るなどお楽しみ盛りだくさんのコースです。(最少催行人員28名)
旅行代金(大人・小人/おひとり様)
8月7日(月) 8月16日(水) 8月21日(月) 30,800円
※上記は新大阪・京都発着の旅行代金です。
(姫路発着は2,000円増、三ノ宮発着は1,000円増となります)■行程
- 姫路(6:00発)⇒三ノ宮(7:30発)⇒新大阪(8:30発)⇒(高速道)⇒〈富士スバルライン〉⇒富士山五合目(夕食)(17:30頃着)不要な荷物はバスに置いて頂上を目指しましょう。・・・・富士山七合目(泊)(21:30〜22:30頃着)
- 富士山七合目(6:30頃発)(御来光)・・・・富士山八合目(8:00頃)・・・・富士山頂(剣ケ峰等、お鉢めぐりをお楽しみください)(12:00〜14:30頃)・・・・・富士山八合目(泊)(16:30頃着)
- 富士山八合目(御来光)(5:30頃発)・・・・富士山五合目(9:00頃)⇒西湖(ご入浴・ご昼食)(10:00〜12:00)⇒(高速道)⇒新大阪(19:30頃着)⇒三ノ宮(20:30頃着)⇒姫路(22:00頃着)
■お宿(仮眠)/1日目:七合目 花小屋他 2日目:八合目 太子館(ぐっすり眠れる寝袋付)(男女混合の相部屋となります。)
最終日のご入浴・ご昼食(全コース共通)
ご昼食は甲州名物 ほうとう
ゆっくり休めるツアー貸切の大広間(窓から富士山が見えます)ご入浴は冨士西湖温泉 いずみの湯
大露天風呂 美人の湯
冷え性・肩のこり・腰痛・神経痛・産前産後の冷え性・疲労回復・荒れ性・しもやけ・ひび・あかぎれ・しっしん・あせも・にきび・うちみ・くじき
大浴場 黒潮風呂
神経痛・リュウマチ・冷え性・疲労回復・肩こり・腰痛・高血圧・心臓病・皮膚病・イライラ・不眠症・肝臓病などの疾患登山道の様子
◎富士山五合目〜六合目
最初のうちは、ゆるい下り坂です。ここでオーバーペースになるとあとで高山病にかかりやすくなります。ガイドのペースにあわせてゆっくり歩きましょう。泉が滝に到着すると、本格的な登りになります。樹林帯を抜け、石畳の道を抜けると、落石避けのシェルターと呼ばれるトンネルが見えてきます。シェルターを抜けると六合目です。
◎冨士山六合目〜七合目
六合目からはジグザグとした砂利道になり、七合目手前からは岩場になります。最初の岩場を登ったところに「花小屋」の文字が見えます。ここからが七合目です。
◎富士山七合目〜八合目
七合目からは岩場になります。脇に鎖がありますが、抜けるところもあるので、つかまらないようにしましょう。5〜10分間隔で山小屋が続きます。最後の階段を上りきったところで「太子館」到着です。ここからが八合目です。
◎富士山八合目〜九合目
「太子館」出発後10分ほどは岩場の道が続き、そこからは砂利道になります。2時間ほどで本八合目に到着します。本八合目からは整備されていない砂利道で、1時間ほどで鳥居が見えます。ここが九合目です。
◎富士山九合目〜山頂
このあたりから御来光前は非常に混雑します。30分ほどで最後の岩場になります。ここが最後なので頑張りましょう。岩場が終われば階段になり、鳥居をくぐると山頂です。
◎下山道
下山道はひたすらジグザグ道を下っていきます。30分ほどで本八合目です。ここから五合目の間は食べ物などを買う場所がありません。本八合目から10分ほどで須走口との分岐点になります。ここでは必ず左の「河口湖」「山梨県」「スバルライン」方面に進みましょう。七合目でジグザグ道は終わり、あとは五合目までひたすら歩きます。最後のゆるい上り坂を上りきれば五合目です。
仕事を終えて新大阪駅から
ツアーバスに乗車するのだが、発車は午後10時20分とかなり遅い。かといって姫路まで帰っていたのでは発車が午後7時50分で家まで帰ることもままならない。仕方ないので夕食を食べ、おやつや明日の朝食用にパンを買ったり、お風呂(なぜか職場にお風呂があったりする)に入ったりと時間を潰す。今回も乗車地は新大阪駅、下車地は姫路駅にしたが、当然ながら姫路駅発着の料金となる。
21:53
登山靴を履き、そのまま富士山に登ることが出来そうな服装で、新大阪駅南側の大型バス駐車場に着いたが、発車30分前とあって当然ながらまだ神姫観光のツアーバスは来ていない。気温がまだ30度を越えるなか、たくさんののツアーバスが乗客を集めて出発していく。神姫観光以外にも富士山登山ツアーがあり、私の身なりからそのツアーの係員に声を掛けられてしまった。そのバスツアーは神姫観光と同じ全く行程で宿泊する山小屋も同じで、富士山の登下山道でもいつも前後を歩いていた。
22:06
新大阪から乗車する神姫観光の添乗員に遭遇した直後に、神姫観光のバスが入って来たがディズニーランド行きで、なんか去年と全く同じ光景が眼前で繰り返されていく。
22:14
ディズニーランド行きのバスが出た後に、定刻よりも少し早く「バスで行く富士山 ゆっくり登ろコース005」の神姫観光ツアーバスが入ってきた。本来なら015号車のはずだが、7月のツアーは三分の一しか成立しなかったようだ。
今回のツアー客は私を入れて31人(女性17人、男性14人)で女性の方が多い。単独者は私を含めて3人で全て男性、あとは夫婦・親子・家族・友人・同僚など2人から6人までのグループだ。私の座席は後方の回転式ラウンジ席で前後の間隔が広いうえに、隣は空席で広々としてザックを座席まで持ち込むことが出来た。4年前に最初に富士山へ登った時は、狭い座席に隣も単独者で、かなり息苦しく辛いバスの旅だったが、今回は2回目・3回目と同じくゆったりと行けそうだ。登山靴をザックの雨蓋に挟んできたサンダルに履き替える。
22:20
定刻に新大阪駅を発車したツアーバスは、順調に次の乗車地の京都駅に向かうかと思ったら、いきなり事故渋滞につかまってしまった。その渋滞をようやく抜けたら、また次の事故渋滞(10台ほどが関係する追突事故)につかまり大阪市内から抜けることがなかなか出来ない。
24:00
新大阪駅から1時間40分もかけて、どうにか京都駅までたどり着き3人を拾い上げる。1時間近く待っていた人たちは、本当にツアーバスが来るのかと心配していたことだろう。予定よりも40分も遅れて発車し、前途多難な幸先の悪い幕開けだ。
日が変わりツアー二日目は
運転手(藤原さんと戸倉さん)と添乗員の挨拶があり、これからの予定の概略の説明を受ける。明日は富士浅間神社にお参りしてから河口湖口五合目の雲上閣で休憩し昼食をとるとのこと。
バスは名神高速・中央高速と快調に走行していくが、慣れない夜行バスで目をつぶっているだけで眠ることが出来ない。明日のために眠らなければならないという強迫観念と、1年ぶりの富士登山とあって精神が高揚し眠ることが出来ない。
それでも意識が途切れているので少しは眠れたのかもしれないし、周囲を悩ます高鼾で眠りこけていたのかもしれない。途中三度(大津・午前0時25分〜0時45分、恵那峡・午前2時45分〜3時00分、双葉・午前5時00分〜5時10分)のトイレ休憩をとりながら進んでいく。
5:00
最後の山梨県甲斐市の双葉サービスエリアに到着。去年はここで希望を打ち砕く大降りの雨の中で目覚めたが、今日はただの曇り空で一安心、だが富士山はここよりも天気が良いはずはないし、三回連続で富士山に雨を降らせてきた雨男の私がいるので油断はできない。
5:26
バスは「一宮御坂インターチェンジ」で中央高速より下りて国道137号線で河口湖方面へ向かう。天気はなぜか良くなり青空も見えるようになってきた。
5:43
御坂トンネルを抜けると天気はさらに良くなり、富士山の姿がくっきりと前方に見えてきた。天気が良すぎると暑いし、日焼けも心配だしといらぬ心配まで始める始末。
5:50
河口湖にかかる河口湖大橋を渡り富士山が近づくと、さらに天気は良くなり麓から頂上まで雲ひとつない富士山が大きくくっきりと見えてきた。山小屋が建ち並ぶのも手に取るように見えるが、この時の富士山頂上は強風が吹き荒れほとんどのツアーは登頂を断念したという。天気が良すぎるのも考え物ではある。
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6:00
行程より30分遅れて、富士急ハイランド南東近くの「北口本宮富士浅間神社」に到着。富士山の安全登山を祈願する。由緒ある神社で本殿は国指定重要文化財に指定されている。いつもなら拝殿の裏に廻り込み本殿を必ず見るのだが、睡眠不足の頭は早くバスに戻りたいと叫びだし結局見ずじまい。次回には本殿も必ず見ようと思う。
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まだ朝早く、地元の方や個人の登山者らしき人がちらほらといる以外は私達だけだ。安全登山を祈願するのもよいが、神社は大好きだが神頼みを潔しとしない私のような者にとっては、ここでの30分間は時間の無駄で、最後の休憩をその分長くして欲しかった。休憩時間が40分になれば、サービスエリアのレストランはまだ営業はしていないが、軽食ならとることができて神頼みよりも実効性のある栄養補給をできたのにと残念だ(この神社に寄るのは今年のツアーから)。
北口富士浅間神社
御祭神
木花開耶姫命 天津彦々火瓊々杵命、大山祇命御由緒
日本武尊當地御t通過に際り親しく富士の霊峰を御遙拝になった。その由縁を以って祠宇を創建その蹟を大塚丘という。後延暦7年(1200年前)甲斐守紀豊庭現地に社殿を建立、現在の本殿は元和元年(373年前)鳥居土佐守造営、幣殿、拝殿、神楽殿、手水舎、神門等は江戸小博馬町の人、村上光清師の首倡に因り享保18年に起工し、元文3年(250年前)に総て竣成された。
大正13年保存会に依って各所修造、屋根は銅板に葺替、本殿は桃山建造物の首位なりとして昭和28年3月国重要文化財に指定さる。御神徳
戸無き八尋殿の猛火の中にて皇子を挙げ給う。瓊々杵命詔り給はく「汝くしびにあやしき威さあり子等復ひとにすぐれたるいきほひ有る…伝々」即ち富士火山鎮護の神、火防の神、安産授育の神、又産業の神として汎く世に尊崇せられ給う。雑載
富士登山のともがらは、本神社参拝の後に登ること往古より変わらぬ例とす。祭日
例祭(初申祭)5月5日
鎮火祭(日本三奇祭 吉田の火祭)8月26・27日
寒申祭(1月寒入り初の申)申の日
節分祭(追儺祭)節分の日
開山祭(お山びらき)7月1日
閉山祭(お山じまい)9月10日「昭和63年誌」
6:26
浅間神社から河口湖口五合目を目指し「富士スバルライン」をツアーバスは登り始める。森林限界に達するまでの富士山の裾野は森林が広がり、スバルラインの両側も見事な森が連なっている。動物もたくさん生息しているのか、小鹿の轢死体が道端に転がっていた。風景を見ながら、サンダルから登山靴へと履き替え、登山に必要のない物をトートバックに移すなど、着々と登山の用意を整えていく。
7:09
ほぼ行程表の通りに五合目「雲上閣」前に到着。時間が早いせいか、登山者の姿は少ない。不要の品物(明日の入浴後の着替えなど)はバスに置いておくことができる。これまでの3回の富士登山バスツアーの経験から、休憩場所の雲上閣で着替えてから不用品をバスに戻すのを、バスが駐車場所へ移動するまでの短い間にこなすのは骨が折れることを学んだ。そこでバスに乗るときから完璧な登山姿で乗車し、不用品をまとめたトートバックなどを座席に残して、スマートに下車することができた。
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お昼御飯まで
あと3時間ほどあり、それまでは雲上閣3階の更衣室兼休憩所で横になっているのがベストなのだが、下山後に時間がない場合もあるのでお土産物を物色したり、小御嶽神社へ行ってみたりと忙しい。
雲上閣3階には休憩室と男女別々の更衣室兼休憩室があるが、今回は休憩室を使うことは出来なかった。また3階にはコインロッカーもあり小が300円、中が400円、大が500円となっている。
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雲上閣2階は食堂で、ツアー客用の広いがテーブルが隙間なく置かれたせせこましいところと、個人客用の広々としたコーナーに分かれている。メニューは下記のようなもので結構高く感じるが観光地の富士山五合目としてはこんなものだろう。しかしサンプル写真がない「乗務員専用500円」というのは、どのようなものなのだろうか。
中華丼 1,000円 エビピラフ 850円 カレーライス 900円 オムライス 900円 焼きおにぎり 350円 ライス 300円 天ぷらそば 700円 天ぷらうどん 700円 ラーメン 750円 焼きそば 650円 ナポリタン 850円 ざるそばセット 1,000円 おでん 600円 お吸い物 250円 乗務員専用 500円 紅茶 350円 コーヒー 350円 アイスコーヒー 400円 コーラ 400円 オレンジ 400円 ウーロン茶 400円 レモンソーダ 400円 メロンソーダ 400円 ビール 600円 日本酒 550円 表示価格には、消費税が含まれております。
雲上閣1階はお土産物やさんと軽食コーナー、そして有料のトイレがある。富士山に茶色の火山灰以外に名産品などあるわけはなく、どこの観光地にもありそうなものしか並んでないが、種類は豊富でネーミングも面白いものがあり見て回るだけでも時間をつぶせる。トイレは出すものの種類・量を問わず1回50円で、泡で流す超節水型となっている。
外に出てみると、ツアー客を乗せたバスが次から次へと到着しだいぶ人が増えてきた。雲上閣前にある清涼飲料水自販機の価格は次のようなもので、下界よりも高いが目が飛び出るほどではない。なお、飲み物もそうだが、トイレ利用料も頂上へ近づくほど高くなっていく。
缶入のお茶・紅茶・コーヒー 150円 500mlペットボトル各種 200円
雲上閣と向き合って建つ「五合園レストハウス」にはなぜかブロンズ像が4つほどあるが、その中の「神道扶桑教 大教正 流石助次郎翁」とはどのような人なのだろうか。富士講と何か関係があるのだろうか。
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五合園レストハウスの右奥を入ると小御嶽神社の赤い鳥居がある。神頼みはしないがお参りしておいても損はしないだろう。神社の境内から振り返ると富士山頂上が大きく見え、皆な写真を撮っている。4回目の富士登山で初めて五合目から頂上を見ることが出来て、これから登る8合目までこの天気が続くかと思うと、幸せとはこういう状況をいうのだと実感した。
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9:55
雲上閣3階の休憩所に戻りゴロゴロしていると昼食の案内放送があり、2階の食堂へ降りて行くと用意が整っていた。内容は昨年と全く同じで、鳥のから揚げ、タクワン、魚のフライ、ウインナ、ゆでキャベツ、トマト、鍋焼うどん、かやく御飯、マカロニサラダ(左上から)だ。
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味付けは当然ながら関東風で、うどんの汁の色は濃く、かやく御飯も実は炊き込み御飯と呼ばれるものだ。関西在住22年、すっかり関西風の味付けに慣れ親しんでしまった私にとって、外国で食事をしているかのように感じる味付けだ。雲上閣のサイトを見ると、団体のお客様向けの「雲上ランチ」1,050円に相当すると思われる。
食事が終わる頃、添乗員から出発集合時刻(10時50分)と集合場所の案内があり、神姫観光ハートツアーだけの特典、遠く離れていても一目で識別できる黄色いゼッケンを受けとる。
今回の登山ガイドは
10:50
岡和美君だ。添乗員による点呼の後、太子館ガイドの特徴なのかいきなりのハイテンションで自己紹介、注意事項、これからの行程の説明を受ける。実は写真でも分かるが晴天はいつの間にか曇天に変わってしまい、周囲の風景は全く見えない。
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神姫バスの皆さん、こちらの方にお集まりください。
ではちょっと説明をいたします。私が今日、明日と皆さんのガイドをさせていただきます岡と申します。 よろしくお願いします。
(お願いします)
で、岡という名を覚えておいて下さい。もしも万が一はぐれてしまったときに、この腕章を付けているガイド一杯います。その人に岡というツアーのガイドの人に連れてこられましたと言ってもらえれば、無線で連絡が来ますんでどこにいるか分かります。ですから岡と言う名前必ず覚えておいて下さい。よろしいですね。
(はい)では、まず注意事項三つほどあります。
まず、富士山、山の中にいるときには私ガイドの指示に従って下さい。もし皆さんに万が一のときがあったときに、皆様の安全を守れませんので、皆さんこれだけはよろしくお願いします。大丈夫ですね。
はい、そして二つ目、皆さん持ち物は大丈夫ですか。はい、ちょっと午前中は天気良かったですが、今はちょっと怪しい雰囲気になってきています。雨具皆さん持ってらっしゃいますか。持ってらっしゃらない方。じゃ、持っている方。
(はい、はい)
大丈夫そうですね。はい大丈夫ですね。そして、明日は夜中から歩き始めますんでね、真っ暗闇です。皆さんライトは持っていますか。
(はい、はい)
持ってる人。
(はい)
はい、大丈夫ですね。それでは持ち物は大丈夫でしょう。
それから今度は、三つ目の注意点。持っていって欲しくないもの。病気です。はい、富士山過酷な状況です。呼吸器関係、循環器関係などに障害をお持ちの方、病気をされている方いらっしゃいましたら、今遠慮なくお手を挙げて下さい、大丈夫ですか。今恥ずかしくてちょといえないと言う方もね、出発前にこっそりと私に言ってくだされば注意できますんで、よろしくお願いします。大丈夫ですね。はい、それでは行程の説明に入りましょう。
皆さん、この現在位置どこだか分かります。
(五合目)
五合目、確かに五合目なんですけども富士山実は五合目一杯あるんですよね。はい、ここ大きく分けて山梨県側と静岡県側にあるんですけど、これどちらだか分かりますか。
(山梨、山梨)
はい正しいかな。山梨県ですよ。大丈夫ですか。間違いそうになった人いませんか。
はい、明日はここに下ってきます。で、下ってくる途中に山梨県側と静岡県側の分岐点があるんですね。そこ非常にわかりにくいので、皆さん山梨県側、覚えておいて下さい。それから皆さん、今登ってこられました有料道路なんと言う名前だか分かりますか。
(スバルライン)
スバルライン、そうですよスバルライン。そしてね今見えないですけど、向こうの方に河口湖が見えます。山梨県・河口湖・スバルラインこれが今の現在位置のキーワードです。明日下ってくるときに看板にあちこち書いてありますんで迷わないで下ってくるために三つ覚えておいて下さいね。これから何度も繰り返します。今覚え切れなくても、これから何度も繰り返しますんで明日までには覚えておいて下さい。(笑い)大丈夫ですね。ガイド君は半分冗談のように言っているが、昨年の神姫観光富士登山ツアーで、1名が静岡県側に下りてしまったという驚くべき事実がある。
はい、それでは今から登り始めまして、今日泊まる太子館という小屋まで大体4時間かけて登ります。でね、太子館で仮眠を取っていただきまして、大体夜中12時くらいですかね。に出発しまして、御来光をめざして頂上まで4時間。で、頂上で御来光を見てから、またここに下ってくるまで4時間。4・4・4の合計12時間の行程となります。
で、はぐれないように、私が先頭を歩きます。で、添乗員さんに最後尾を歩いていただきますので、皆さん私の後、添乗員さんの前を歩くようにして下さい。大丈夫ですね。
(ハーイ)はい、それでは、ちょっと体をほぐしましょうか。準備運動をします。
………軽い準備運動の後………
はい、皆さん準備はよろしいですか。はい、ではこれから出発する前に気合を入れましょう。頂上が向こうの方にあります。今は見えませんが、皆さん向こうの方に向かって私が「富士山に登るぞー」と言ったら皆さんは「おー」でお願いしますよ。
いきますよ。富士山に登るぞー。
(おー)
はい、皆さん出発しましょう。2列でお願いします。でね、ちょっと体力に自身のない方、前の方に来ていただけると楽ですよ。どうぞご遠慮なくどうぞ。
で、すぐに出発するかというとその前に記念撮影があり、残雪付の富士山を合成した写真が下山後のバスに乗る前に買うことが出来る。なお写真は1枚1,000円だが、早めに買わないと人数分の枚数は焼いていないので郵送扱いになりめんどくさくなる。
11:05
ほぼ予定通りの時刻に五合目より、お馬さんに見送られ登山開始。
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富士山に登るのに五合目からは水平道、あろうことか緩い下り道をしばらく行く。スバルライン終点の五合目は、小御岳という今の富士山が出来る前の古い火山の頂上なので、どうしても最初は下りになってしまう。
11:21
周囲の風景は全く見えないが、車が通れる広い道の端にはホタルブクロや、クルマユリ、シャクナゲ、オンタデなどの高山植物が咲いている。しかし、単独行動の出来ないツアーとあって足を止めることもままならないのが残念だ。ようやく下り道が終わり、泉滝分岐から緩い登りになる。
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泉滝で最初の休憩をとる。まだ歩き始めて20分もたっていないが、頻繁に短時間の休憩をとりながら登っていくのが老若男女、体力差の大きいツアー客を落伍者なしに頂上まで連れて行くコツなのだろう。
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………、各小屋では雨水を貯めて飲み水にしています。そのため水が非常に貴重です。ですから、これから一合上がるにしたがって水は百円づつ上がっていくと、値上がりしていくと思って下さい。
で、湧き水と言いましたが飲めません。なぜかと言いますとさっきからいる馬が飲み水にしているので、飲んだらどうなるかわかりません。
でね、ここから登りになります。登りの登り方、足の運び方ですけど足の裏全体を斜面につけるように、で、小またで歩いて下さい。ゆっくりと。ここからペースはかなりゆっくりとしますので、それからこういう段差のあったとき、こう乗り越えようとすると膝がすごい疲れます。何度も繰り返していると、すごい、えー疲れが溜まってきてしまうので、なるべく段差の少ないところ、スロープがあればスロープ、なるべく段差の低い階段を選ぶように。よろしいですね。じゃここから登り本番です。
11:50
ガスがかかり、雨がいつ降ってもおかしくない状況の中、緩い道を登っていくと、落石除けのシェルターの中へ入っていく。このシェルターがあるところが、かつての吉田大沢の「砂走り下山道」の終点になっていたが、昭和55年8月の大落石事故以来、下山道はさらに五合目登山口から離れたところに設けられている。
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はい、神姫観光の皆さんね、ここにあるトンネルですけども、落石除けのシェルターです。上を見て下さい。何かいろいろ積もっているでしょう。土砂が。このトンネルの上、全部上から落ちてきたものですからね。でね、昔はね、ここが下山道だったのです。ですけどね、ご存知の方もいらしゃるかも知れませんが、吉田大沢の落石事故というものがありまして、16人ぐらいが亡くなった事件がありました。で、それをきっかけにここ下山道がなくなりまして向こうの方を回るようになったんです。そのときにできた落石除けのシェルターがこちらで、皆さん必ず中を通るようにして下さい。
でね、ここには横を通る道なんてありませんけれども、明日下ってくる途中にそっくりのトンネルがあります。でね、隣にすごい歩きやすそうな道があるんですけれども皆さん中を通るようにして下さい。もう六合目目の前です。
11:57
富士山安全指導センター・山梨県富士吉田警察署富士山警備派出所を通り過ぎ、4台並んだ簡易トイレ(ここも有料)の横で2回目の休憩。
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………石を落とさないように気を付けて下さい。でね、段差を避けるために谷側を通ることがありますがそのときは石を落とさないように気を付けて下さい。はい、それでは出発します。はい、準備して下さい。大丈夫ですか。はい、神姫観光の皆さん出発します。
12:25
安全指導センターを出て、九十九な道を20分も登って行くと、恐れていた雨が降り始めてしまった。山側に避けて雨具を着けザックカバーをかける。しかし、20分ほどで雨は降り止み、視界も幾分広がってきて高山の天気の変化の激しさを実感する。
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何度か休憩しながら九十九折れを登っていく。道幅は十分広く傾斜は緩やかで、登山道と言うよりは遊歩道といった趣の道だが、空気が薄い分、普段登っている低山(500m以下を私は低山、それ以上を高山と、低山愛好家の私は定義しているが、真夏の熱中病・脱水状態になりながら登る低山の苦しさは富士山の10倍以上はあると思っている)よりは苦しい。ただ真夏なのに気温は十分低くて、雨具を着ていても暑くなく、風が出てきたのでそのまま着ておく。
私はゴアテックスの旧世代のものを愛用しているがなんら問題はなく、汗で内側が濡れるようなこともない。同じツアーの人で非透湿性・ビニール製の雨具を着ている人は保温には役立つだろうが、中は汗まみれのようだ。2万円以上するゴアの雨具を富士登山だけのための買うのはためらわれるだろうが、値段以上の価値があると思う。
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………でも、腹式呼吸などすぐには出来ないよという方、えー、ちょっと吐くときにトゥーといって吐くといいです。ちょっと圧力をかけるといい感じ。
皆さん水もしっかり飲んで下さいよ。
後ろからツアーが来てますから山側によって下さい。はい、がんばって下さい。
はい、神姫観光の皆さん、今通り過ぎているツアーが通り過ぎたら出発します。
七号目の山小屋が近づいてくると、これまでの砂礫の九十九折れの道から岩稜帯に変わり、登山道はその中の登りやすそうなところに設定されている。登山道から逸脱しないように鎖が張られているが、支柱は弱くつかまって登れるものではない。しかし登るにしたがって、登山者により捻じ曲げられた支柱が目立つようになる。
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13:33
七合目花小屋に到着し、小屋を過ぎてからトイレ休憩をとる。
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………はい、ではそろそろ出発します。
はい、準備して下さい。岩場はたぶん一列でしか歩けないと思います。前とあまり差が開かないよう気を付けて下さい。
でね、まだ体力が有り余っているなとい方、後ろのほうに回って、楽な前の方空けてあげて下さい。
では神姫バスの皆さん、出発します。
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七合目の岩稜帯には山小屋が連続して建っていて、三館おきぐらいに休憩をとっていく。物価もだいぶ上昇してきて、鎌岩館での物価は次のようになっていて、トイレは1回100円になっている。
うどん 600円 おでん(玉子入り)エビピラフ 600円 みそ汁 300円 ホットコーヒー 300円 ホットレモンティ 300円 ペットボトル類500ml 400円 コカコーラ(缶) 300円 リポビタンD 300円 オロナミンC 300円 キリンラガー缶ビール 500円 アサヒスーパードライ缶ビール 500円
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14:39
本七合目鳥居荘に到着。天気は青空が少しのぞいてきて回復基調だが、油断はできない。
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14:52
東洋館に到着。東洋館はリニューアル中で、きれいな建物に生まれ変わっている。東洋館は寝具も寝袋になり、布団1枚に二人・三人が富士山の常識でなくなるのも日も近いか。
五合目を出発してからおよそ4時間が経過し、本来なら宿泊地の八合目太子館に着いていてもおかしくない時間だが、女性の方1名が高山病にとり付かれてしまったようで、ペースがだいぶ落ちている。私はというと、これまでの3回の富士登山でも高山病にかかったことはないし、今回も絶好調で疲労も少ない。
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15:22
太子館の間近の岩場で本日最後の休憩。
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休憩時間が長く、富士山を代表する高山植物「オンタデ」の写真撮影に成功。富士山の砂礫に唯一生えている植物で、誰が見ても「ワッ、きれい」とは感じない可愛そうな高山植物だ。
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………富士山、こういう山ですから段々険しくなってきます。今日よりも辛いと思います。はい、今日の行程きつかったなと思う方、明日はもうちょっと辛いかも知れません。でもね、皆さん、今日疲労がたまっている方、もしくはちょっと気持ち悪くなっちゃている方、無理だけはなさらないで下さい。うん、山では無理をするのが一番良くないです。はい、危険ですからね、フラフラになっていたりすると。ですから皆さん無理だけはなさらないで下さい。もし、ここでリタイヤじゃないですけど、休まれると決断された方は、あの太子館で朝まで休んでいただいて、で、御来光を見てから下山するという方法をとることも出来ますので、皆さん無理だけはなさらないようにして下さい。
で、明日の出発時刻ですけれどもね、大体11時くらいですかね。結構込んでますからね。早めに出たいと思います。え、細かい決定は皆さんが食事をしているときに伝えますのでよろしくお願いします。
でね、明日出発してから途中で急に高山病にかかってしまって、気分が悪くなったりなんかした場合には、最寄の小屋で休んでもらうことになりますけれども、その場合休憩料が大体3,000円から5,000円かかりますので、その辺もご了承ください。
では、皆さん用意をして下さい。
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16時2分、行程表より
1時間遅れて「太子館」に到着。入館順に寝場所が決まるため男女別に入館していくが、結局見ず知らずの男女が隣り合わせになることは避けられない。が、しかし私は今までそんな状況に陥ったことはなく、両隣はいつも男性だ。
(玄関前で太子館番頭)
それでは皆さん靴紐をほどいてすぐ入れるようにしてお待ちください。すぐ脱げるようにしてお待ちください。
皆様お疲れ様でした。本日お泊りの太子館でございます。こちらの袋、靴袋となっています。お二人様お一つでお使いください。よろしいでしょうか。
はい、それでは入る順番ですけど、まず女性のみの方、次に男女混合の方、最後に男性のみの方となっています。よろしいでしょうか。
はい、それでは早速入っていただきますので、女性のみの方からどうぞ。杖さかさまにしてお持ちください。お連れ様とご一緒に入って下さいね。はぐれちゃいますよ。
女性のみのグループの方どんどん入って下さい。次男女混合の方、お入り下さい。お連れさんと一緒に入って下さいね。男女混合の方いらしゃいませんか。早めにお願いしますね。
男女混合の方もういらしゃいませんか。はい、男性のみの方どうぞ。
三層?の階段状になった寝室は、最上階だけは一段寝台だがその他は二段寝台になっていて、神姫観光の20人ほどは一段寝台の最上階に入れたが、私はその下の二段寝台の階になってしまった。まあいいか。
(館内で太子館番頭)
はいどーぞー、リュック下ろしやすいように肩紐片側だけにしておいて下さい。
従業員がザックを奪い去り次々と寝床に並べていき、寝る場所が決まる。幅は肩幅よりもわずかに広い程度で、今回の私の寝床は二段の上段、梯子から横三人目の位置。下段は天地が低く頭を何度もぶつけた経験があるが、上段は幾分広くなっている。また下段は靴を通路に置くことが出来たが、上段は自分の領分に置くしかない。しかし上段は通路上の吊パイプに衣服をかけることが出来るのが特典だ。
去年までは敷布団の上に寝袋だったのが、今年は敷布団がなく、畳の上に直接寝袋に入って寝るように変わっている。寝心地が悪く寝付けないんじゃないかと少し心配だ。けれども余所の山小屋のように1枚の布団に二人・三人よりは良いに決まっている。
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(寝室で太子館番頭)
カーテンの方、更衣室となっています。どうぞお着替えのさいお使いください。すみません反対側になりますがこちら側の階段の上の棚の上、こちらの洗面器がございます。気分が悪くなられたとかどうぞお使いください。その時は番頭に申し出て下さい。
また、皆様がお休みなるこのフロアーですが、こちらの方飲食をご遠慮いただいております。なにか飲食される場合は、すみませんが1階の囲炉裏の方にお願いします。また館内全域禁酒禁煙となっていまして、その際は、すみませんがお煙草お酒の際は外の方でお願いします。トイレですが、トイレは館内にございません。トイレ、建物を出ていただいて右の方にございます。その際はスリッパがございますのでどうぞお使いください。あの、最初の1回だけでよろしいので、募金の方100円お願いします。
では、最後になりますが夕食の方カレーになります。ご気分が悪くてカレーが食べられないお客様おられますでしょうか。皆様大丈夫でしょうか。そうですか。カレーの方食べられますか。分かりました。
じゃ、質問の方ございますか。皆様大丈夫ですか。
(えっと、食事何時から)
何時からとは申し上げられないのですが、お呼びに参ります。
(食事はどこでするのですか)
食事は1階の方に広間がございますので、そちらの方です。
16:20
寝室に入り10分もたったころ、お呼びがかかり1階の広間に下りていくと夕食の準備が出来ていた。去年と全く同じカレーとおかずのセットで、不便このゆえない富士山八合目で食事が提供されることを思えば量・質ともに十分満足できるものだ。おそらく高級レストランで食べるよりも高価なはずで、町中の食堂・レストラン・御家庭で出されたら「こんなもの食えるか」とテーブルをひっくり返しかねないものだ。今までに一度しか経験はないが、私なら必ずひっくり返す自信がある。
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去年は小さなテーブル一つ当たり7人が肩を斜めにして座ったが、今年は6人と肩を触れ合うことなく悠々と食べることが出来た。おかずの内容は左上からミートボール、インゲン豆の胡麻和え、福神漬け、焼きさば、ドライフルーツ、小さな大福、厚揚げ、そして食べる酸素5粒ほど。
(広間でガイドの岡君)
はい、神姫バスの皆さんね、はい出発時刻が決まりました。10時45分に出発します。よろしいですか、10時45分です。10時45分ですよ。はい、うちらはね、もう渋滞に巻き込まれないうちにさっさと登りに行こうと思います。でね、10時45分の15分ほど前に番頭さんが起こしに来てくれますので、15分しかありませんので準備などは寝る前にお済ませ下さい。それでは明日の朝は寒いと思いますので防寒着は必ず着込むようにしておいて下さい。よろしいですね。
先ほども説明しましたけれどもね、明日結構辛くなります。無理だけはなさらないようにして下さい。ここからでも御来光ご覧になれます。時どきは、頂上で見えないときここで見えるなんてときがありますので、無理だけはなさらないようにして下さい。でね、寝不足も高山病に悪いですから、今寝不足の方も多いと思いますが、しっかり寝て下さい。では、皆さんお疲れ様でした。明日もがんばりましょう。
(広間で太子館番頭)
皆様お疲れ様でした。神姫観光の皆様、ではまず明日の朝食の方ですがこちらのお水ペットボトルですね。そしてこちらジャムパン、中にイチゴジャムが入っています。そして最後に釜飯、中にスプーンが入っていてそのまま食べていただけます。こちらの三点セットは食事の後にお配り致しますのでどうぞ忘れずお受け取り下さい。
続きまして、神姫観光の皆様、明日の方は出発の時間が大変早くなっていまして、用意する時間が余りありません。というわけで寝る前にリュックの方用意していただいて、それからお休みいただくようお願いします。そして皆様焼印ですが、焼印は夜になると火を消してしまいます。そのためもう夜は焼印が出来ません。というわけで焼印は寝る前に焼印はあちらの方でやっていますのでご利用ください。
じゃ、最後にもう一つだけ、皆様の食べられた食器ですが太子館はゴミの分別回収を行ってまして、申訳ありませんがテーブルごとでよろしいので同じ食器ごとにお重ね下さい。カレーのお皿はカレーのお皿、黒いトレーは黒いトレーというように、分別して置いておいて下さい。お願いします。
では太子館よりの説明は以上になります。ありがとうございました。
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16:50
狭い寝床で明日着る服は吊パイプにぶら下げて用意を終え、外のトイレに行ってから寝袋に入る。ざわめきは耳栓を着けると一気に静かになったが、普段とあまりに違う寝室状況により精神が興奮しているのかなかなか寝付けない。と自分では思っていたが、バスの中と同じく高いびきで回りに迷惑をかけていたかもしれない。
山小屋には次から次へとツアー客が入館し、寝室は離れているが番頭の説明の声が聞こえたり、高山病や疲れから洗面器を使う人が続出したりと阿鼻叫喚の世界が広がり、とてもではないが耳栓なしでは眠れる環境ではない。山小屋に泊まって眠りたいなら耳栓は必要不可欠な最重要アイテムだ。
出発前に雨、大雨
21:15
出発の30分前となり、目を開けて起き上り早めに登山の準備を始めると、トイレにでも行ったのか外を見てきた人が「雨が降っている」と言う。それもかなりの雨らしい。一気にモチベーションがどん底まで急降下して、そして雨の中の夜間登山の苦しさを思い出して今回は富士山頂上をパスしようと決断した。
しかし周囲の皆が黙々と雨具を着けているのを見て、「こんなことではいけない。播州野歩記の愛読者のためにも私は登らなくては。」と一瞬で決断を翻し、雨の中の夜間登山に挑むことにした。
22:40
外にでてみると、雨のあの字も降っていなく星空さえ見えていて拍子抜けしてしまった。いったいどういう天気なのだと訝しがりながらトイレに寄っていく。
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22:45
集合時刻になっても一人だけ現われない。八合目リタイア組には入っていないはずでどうしたんだろうか。数隊のツアーが狭い場所に集り、ごった返してきたがまだ現われない。一隊が先に出発してもまだ現われず、神姫観光ツアー客からはブーイングの声が上がり始めた。
22:51
予定の時刻から6分遅れで、最後の一人がようやく現われた。何があったかしらないが、わずか6分の遅れだがツアーの一員なら時間だけは守って欲しかった。点呼の後、岡君からの諸注意を受ける。
それでは神姫バスの皆さんね、これから出発して頂上に向かいますが、約4時間ぐらいの行程です。今日も言いましたけれど出発しますと、ここに戻ってくるのはね、上の小屋まででしたらここに戻ってくることも出来ます。もし、今ちょっと体調大丈夫かなと思っている方、上の小屋までに体調判断してくれるようにしてくれれば、ここに戻ってこられます。ちょっと気持ち悪くなって小屋に入ると休憩料が3,000円から5,000円ほどかかってしまいますので、皆さんご注意くださいね。
私これを持っています。これの後、添乗員さんの前を歩くようにして下さい。大丈夫ですか。
でね、念のために頂上での集合場所と集合時間を決めておきます。でね、東京屋、頂上の東京屋に、そうですね、早めに、日の出前に集合しましょう。4時20分に東京屋前に集合です。東京屋に4時20分よろしいですね。
もし、はぐれてしまった場合、もし4時20分に頂上に辿り着かなければ、下って下さい。はい、バスの時間に間に合わなくなってしまいますので、よろしくお願いします。大丈夫ですか。
はいそれでは今日がんばっていきましょう。元気がないですよう。がんばっていきましょう。
(おっー。)
それでは出発しましょう。
22:54
富士山頂上を目指し、八合目太子館にリタイアした8名を残し23名(女性10人、男性13人)になった神姫観光登山隊は番頭たちに見送られて出発。
23:15
蓬莱館の先の岩陰で休憩。脱落者はいない。
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星きれいですからね、ちょっとライトを消してみると、あの辺にカシオペア座がありますね。天の川も薄っすらとしっかり見えてますね。
うん、皆さん水分補給も忘れちゃいけないですよ。
はい、神姫バスの皆さん出発の準備をして下さい。もうすぐ出発ですよ。
え、皆さん八合目には四つの小屋がありまして、もう二つ過ぎました。次の休憩は三つ目の小屋です。
はい、神姫バスの皆さん用意はいいですか。はい、神姫バスの皆さん出発します。
23:40
白雲荘前で休憩。少し広い前庭にはツアー客、個人客がごった返している。しかしながら深夜にこれだけの人が登る山は富士山以外にないだろう。
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スニッカーズ 300円 ウイダーinゼリー 400円 ミネラルウォーター 500円 リポビタンD 400円 みそ汁 400円 カメラ 1,500円 コーヒー 400円 カップヌードル 600円 ビール・酒 600円 コカコーラ 400円 コーンスープ 400円 玉子スープ 400円 カップココア 400円 緑茶(缶) 400円 チューハイ 500円
23:59
休憩してばかりのようだが、今度は八合目元祖室前で休憩。海抜は3,250mと、どんどん空気が薄くなり、これぐらいの頻度で休憩をとらなくては体力差の大きいツアーでは富士山は登れない。
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神姫バスの皆さんね、この八合目四つ目の小屋はね、元祖室といいまして、富士講の皆さんの開祖の身禄という方を祀っておられる祠があります。ですからね、あの鳥居は結構由緒ある鳥居なんですよ。富士講と言われても分かる人だけ、きっと分かると思いますけれども。
はい、よろしいですか。出発します。はい、神姫バスの方、出発します。
0:25
登山道途中の岩陰の山側に寄り休憩。非常に大人数のツアーもあるが、全部で25人になった我がツアーは比較的小回りが効き休憩をとりやすい。
はい、神姫バスの皆さん。こちらで休憩します。
皆さん、上の方に見えているのが本八合目、先ほどの八合目の小屋から本八合目までの間が胸突き八丁と呼ばれていまして、一番の難所と言われています。
皆さんのいま後の方に、北斗七星が見えますね。そしておそらくあれが北極星。夏の大三角形も見えていますね。夏の大三角形はあれとあれとあれ。ちょっと分かり難いかな。
はい、うちら渋滞よりも一歩前にいますからね。余裕で間に合います。下の方を見ると渋滞しているなと思いながら登ってきましたが、そのかわり頂上着は結構早いですね。日の出が今は4時20分から30分ぐらいなんですけども、たぶん3時くらいには着いちゃいます。
………
見えました。結構頻繁に流れますよ。はい、都会ではこんなに星の数が多いことはないですからね。天の川は真上に薄っすらと。天の川は今は都会では見えないですからね。
………
流れ星は結構頻繁に飛んでます。
(あっ、流れた)
あっ、言ったそばから。
じゃ、皆さんねそろそろ出発しますから、準備して下さいね。はい神姫バスの皆さんよろしいですか。次は本八合目で休憩です。
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風が猛烈に強くなってきて気温も低くなり、防風防寒対策不十分の人は辛そうだ。ちょうど六甲山の真冬の気温ほどで、たいした防寒対策は要らないが、ないと辛い目に会う。この時の私の服装は下は下着とズボン、上は長袖のラガーシャツと薄手のフリース、そしてレインウエア上下と比較的薄着だが毛糸の帽子を被っているのが最大の防寒対策になっている。夏の富士山では防風対策のレインウエア上下と、防寒対策の毛糸の帽子としっかりした手袋さえ持っていけば寒さ知らずに快適に過ごすことが出来る。
0:44
富士山ホテルを通り過ぎて、最後のトイレ休憩を八合目トモエ館でとる。最後のトイレ休憩地とあって全てのツアーがここで休憩をとるので、登山者が渦を巻いている。
この下でも見かけたが茶色く塗られたドコモの携帯基地局が山小屋のすぐ側に設置されていて、アンテナは手が届くところにある。心臓ペースメーカーを着けている人が富士山に登るとは思えないが、携帯電話よりも強烈な電波を発信しているアンテナがある。
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はい、神姫バスの皆さん集って下さい。ちょっと風強くなってきましたので。はい神姫バスの皆さん、後ろ聞こえますか。
はい、でね、ここから1時間ぐらいで頂上に着きます。それでね、注意点ですけど、静岡県と山梨県との分岐地点、下山道のですね、それがねここから下ったところにあるんです。ですから、皆さんそこ危ないですから、そこは一緒に下ります。で、もしもはぐれてしまった場合、え、この本八合目トモエ館で待っていてください。よろしいですか。静岡県と山梨県の分岐点は一緒に下ります。はい、よろしいですね。
分岐点の三つのキーワード覚えていますか。山梨県、スバルライン、もう一個は河口湖。そうですよ、間違わないで下さい。
はい、もしもはぐれてしまった場合、頂上の集合場所と集合時間を覚えていますか。東京屋、東京屋に何時ですか。4時20分。4時20分、日の出前ですからね。日の出前に集合します。よろしいですか。大丈夫ですか。
………(あとは強風のため再現できず)………
夏の富士山四回目だが、こんなに風が強いのは初めてだ。昨日は強風でほとんどのツアーは頂上に達することが出来なかったが、今日もさらに強い風が吹いていたら、星空の見える良い天気なのにこのあたりで登頂中止になったかもしれない。気象庁のウェブサイトで調べたら、頂上の午前五時の気温はわずか2.2度だった。
周囲は真暗で風景描写することは出来ないが、麓の市街地の夜景が時々見えていて、雲の上にはいるが、あまり厚い雲ではなさそうだ。登山道の形にライトの光が上にも下にも隙間なく連なり、たくさんの登山者が登っていることが分かる。
1:21
御来光館の先で休憩。
はい、お疲れ様です。神姫バスの皆さん休憩です。もう頂上までトイレありませんけれども、トイレどうしても我慢できない方いらしゃいますか。大丈夫ですか。
はい、もうこれ最後の小屋です。もう頂上まで小屋ありません。あそこに明かり見えますね。あれが頂上です。
1:48
岩陰で休憩
はい、神姫バスの皆さん、じゃそろそろ出発しましょかね。このあたりにいる方皆さん個人客ですか。ツアーの方いらしゃいます。
(通過しいく誰よりも返事なし)
いらしゃらないですね。では、入りましょう。もうこっから先はねえ、たぶん止まったり歩いたりの繰り返しになると思います。この混雑状況ですと。立ち止まったときなるべく休憩をとるようにして下さいね。
はい、では神姫観光の皆さん、先頭はゆっくり出ます。
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2:27
砂礫の道から岩場の道に変わり最後の休憩。
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はい、神姫バスの皆さんこちらで休憩です。
………ビュービュー(強風のため再現できず)ビュービュー………
本格的に渋滞始まりましたね。大体ここから頂上まで40分ぐらいなんですけど。
………(強風のため再現できず)………
はい、神姫バスの方そろそろ準備して下さい。いま通り過ぎているツアーの後ろに付きたいと思います。
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登山者の列が止まってしまい全く動かない。岩場の道は、安全に追い越しできる幅があり、ガイドより頂上まで自由登山の指示が出た(時刻不明)。牛歩以下、ほとんど止まっている登山者の間をしばらく登っていくと、前後に人がいなくなってしまった。なんと、渋滞は頂上までは続いていなかった。
人数が限界点を越しても渋滞が起こるのだろうが、今日の渋滞の先頭は体力の限界に達してしまい足が進まなくなった人たちが引き起こしていることが分かった。
富士山頂上到着は
八合目太子館を出発してから4時間30分後の、3時24分。岩場の道が石段になり、対になった狛犬に出迎えられ鳥居をくぐる。「富士山の最高標高地点はそこじゃないよ」という意見もあるだろうが、ここも間違いなく富士山の頂上だ。
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まだ真暗だし、東京屋に空き席を見つけザックを下ろす。そして富士山頂上で、毎度恒例になった「みそラーメン」を注文する。「インスタントラーメン」にワカメとハムを1枚入れたのが、富士山頂上でわずか800円で食べられるという、驚きの激安を見逃す登山者は素人だ。五合目から食材と水とストーブを自分で担ぎ上げ、屋外の烈風が吹きすさむなか調理することの困難を思うと、一杯3,000円位の価値はあると思う。その上インスタントラーメンなので味はいつも食べているものと同じで安心して注文できる。
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みそラーメンを食べた頂上東京屋の物価(食べ物は全てインスタント食品と思う)。どれも富士山頂上としては驚くほど安い(と、思うのは私だけか)。
ビーフカレー 1,200円 ハヤシライス 1,200円 カレーライス 1,200円 天ぷらうどん 1,000円 御来光うどん 900円 美味うどん 800円 みそラーメン 800円 ラーメン 800円 おしるこ 600円 みそ汁 500円 HOTコーヒー 500円 甘酒 400円 コーンスープ 400円 ホット牛乳 400円 紅茶 400円 お茶 300円
また富士山頂上には、驚くべきことに清涼飲料水の自動販売機があり、温かい缶コーヒーから冷たいペットボトルのお茶まで販売している。値段が下界の三倍以上するのも富士山頂上ならではだ。
食べるものを食べたら、次は出す番だが、山小屋から下山道の方へ行ったところに受付のある立派な建物がある。長い行列が出来ていてるのにも驚くが、質・量にかかわらす一回200円という金額にも驚いた。これも富士山頂上ならではの風物詩だ。
4:20
登山者が渦を巻き、ごった返し始めた東京屋の前にゼッケンを付けた神姫バス登山隊員が集ってきて添乗員の点呼、一名はまだ長い行列の中のようだ。
並んでましたので、たぶん無理です。そんなにまだひどい場所に並んでいるわけじゃなかったので、まああと数分でくると思います。
日出はまだまだです。5時にはならないですね。さすがに。でも雲があるのか。時間が遅れるんですね。(「関西メイトでお越しの高嶋様いませんか」、どうやら高嶋さんははぐれてしまったようだ)
大体40分ぐらいなんですけどね、雲で10分ぐらい遅れるかも。
……(集合してから4分後、ようやく出すものを出した隊員が戻ってきて、全員集合)………
…さん、いらっしゃいました。良かった。ちょうどよい。
それではね、神姫バスの皆さんね、頂上で葉書を出そうと持ってきている方いらしゃいましたら、今の内の僕に渡しておいて下さい。小屋の人に頼んで出してもらえるのでね。大丈夫ですか。いらしゃいません。
あとね焼印をされてない方、なんか写真を撮り忘れたという人、大丈夫ですか。いらしゃいませんか。ではね、神姫バスの皆さん、場所を移動します。ここ込んでいますからね。人の少ないところに移動しましょう。(「関西メイトでお越しの高嶋様、いませんか」、高嶋さんを見つけ出す努力は続けられている)
………大日岳の中腹まで移動………
はい、神姫バスの方こちらです。もうちょっと上に上がりましょう。うしろ来ました。来ましたね。
(うわー、すごい。海みたい。めちゃきれい。キャー。)
はい、神姫バスの方こちらに来てますよ。
はい、神姫バスの皆さん、この辺りでしたらどんなポジションどりでもかまいません。また集合かけますんでね。日の出のあと。
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4時44分ごろ雲海から、かすかにお日様が顔を出し、そして半円形へと姿を変えていく。こんな壮麗な日の出を見たのは生まれて半世紀ほどたつが初めての経験だ。コンパクトデジカメの画像よりも、実際に見た御来光は30倍はきれいで感動的なものだった。
山小屋の方からは「バンザイ、バンザイ」の声が聞こえてくる。それに釣られるかのように周囲でも「バンザイ、バンザイ」の声が上がり始めた。
4:51
集合し点呼のあと。
はい、ではね、神姫バスの皆さんね、周りが万歳三唱の嵐となっていますが、負けじと私達もやりましょう。はい、用意はよろしいですか。
はい、神姫バスの皆さん、富士登頂おめでとうございます。
(バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ)
オメデトウございます。
(パチパチパチパチ)
それではね、火口の方を見て、下っていきます。
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はい、神姫バスの皆さんこちらですよ。
火口の方の写真撮りたい方いらっしゃいましたら撮ってもかまいません。え、向こうに見えますあそこの建物、あれが昔の富士山測候所の跡地です。もう今では使われていないのですけれども。でね、向こう側まで直径が800mくらい、深さが200mぐらいですね。
写真撮ってもいいですよ。ただし、落ちないで下さいね。あんまり近寄りすぎるとやばいですよ。
名残惜しいが
登った山は下らなくてはならない。4時57分、強かった風も日の出とともに弱くなってきた。
はい、神姫バスの方こちらです。
はい皆さんよろしいですか。もう、悔いはないですか。はい、大丈夫ですね。
よろしいですかね。皆いますよね。皆さんお連れさんいますよね。
はい、それでは下山道の方へ向かいます。はい、こちらです。
はい神姫バスの方、こちらでです。2列に並んで下さい。
たいていはぐれるのはこの辺りなんでね、人数を数えます。
5:04
慎重な上にも慎重に人数を数えてから下山開始。こんなにも下山前に人数を慎重に数えるのは今回が初めてだ。
はい、神姫バスの方進みます。
砂礫の九十九な道を下っていく。登りよりも倍は足に負担がかかり、膝が笑い始めたのか辛そうな人もいる。登山道を見ると数珠繋ぎになった登山者が牛歩以下の、登っているのかなと思うほどの速度で、はるか下から頂上まで続いている。
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九十九の折り返し点で時どき休憩しながらの下山が続く。一歩一歩集中して下っていければよいが、考え事をしたり、よそ見をすると、てきめんに砂礫に足をとられ転びそうになる。踵から踏み込むようにするのが砂礫地を下る極意のようだ。
6:19
山梨県側と静岡県側の分岐点まで下りてきた。左手は山梨県側へ下る江戸屋の前を通る細い道に続き、右手の静岡県側に下る広い道はここままでの九十九の道の続きに見える。標識はしっかりしているのだが、疲れから注意力散漫になっていると静岡県側に行きかねない。
江戸屋を過ぎて休憩。ここから下は迷いがたいのかもしれないが、先に着いていたツアーは点呼のあと、五合目まで自由下山になった。責任をとることが出来ないので太子館ガイドは絶対にしないが、そういうツアーも多い。
下山は登りと違い風景に変化が乏しく、おまけに下は雲海で写真を何度撮っても同じようになってしまう。
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6:52
休憩後の出発前。
はい、神姫バスの皆さん用意して下さい。そろそろ行きましょう。みんな待ちくたびれたように立っているから。もうさっさと下って休みたいでしょう。それは確かにそうでしょう。
(広いところに横になりたい)
広いところ、この辺広いんですけどねえ。
(畳の上)
はい、よろしいですか。では行きましょう。はい、神姫バスの方ゆっくり進みます。
単調な下山と疲れが出てきたのか、まともにログが取れておらず写真のみ。七合目からはガスの中で、遠望もなし。
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9時34分、頂上から下山を
開始してから4時間半、ウグイスの声に出迎えられ、ようやく五合目まで戻ってきた。もう歩かなくていいと思うとホットするが、これから姫路までの長い長いバスの旅が待ち構えていることを思うと、気分が滅入ってくるのはいがめない。まあ、とりあえず温泉とお昼御飯だ。
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はい、五合目に着きました。はいもう五合目です、お疲れ様でした。
はい、皆さんひとまずお疲れ様でした。
いつもの雨の中の下山なら、雲上閣3階の更衣室兼休憩室へ重い足を叱咤激励して上り、雨具を脱いで一休みするところだが、今回はそのままバスに乗れそうなので、1階のお土産物屋さんで登山前に物色しておいたものを買い込む。
神姫観光、ハートツアーでお越しのお客様。バス、玄関前に到着です。ご乗車ください。神姫観光ハートツアーのご一行様。神姫観光のハートツアーのご一行様、出発の時間となります。玄関前にバスが到着です。
10:05
バスの前に待ち構えている写真屋から1枚1,000円の記念写真を売りつけられ、いや買わせていただいて、バスに乗車。そのときは見えていなかった富士山頂上が、なんと残雪を残した姿で映っている。
………バスの中でガイドの岡君から最後の挨拶………
え、皆さんお疲れ様でした。はい、御来光かなりきれいに見れて、今月ね見えたのが下手をしたら一、二回目ぐらいですからね。いや、皆さんかなり運がいいですよ。常日頃の行いが皆さんよろしい。
でね、皆さん疲れたと思いますけれども、これから風呂入ってビールでも飲んでゆっくり寝てリフレッシュして下さい。皆さんどうもありがとうございました。
(パチパチパチパチ)
10:16
今日もまた富士山に登るというガイド君を残して、バスはスバルラインを下っていく。富士山四回目にしてようやく理想的な天候、御来光を体験できて、もう一度ここに戻ってくることが出来るだろうかと感慨にふけりながら、荷物の整理をごそごそと始め、登山靴をサンダルに履き替える。
11:20
河口湖の西側にある「西湖」湖畔にある「富士西湖温泉 いずみの湯」に到着。いわゆる日帰り温泉施設で、豪華さはないが清潔感のある施設だ。ただシャワーの水圧が低いのが玉に瑕で、タオル等の貸し出しはない。
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温泉に入って、久しぶりに歯を磨いて、鬚をそったあとはお昼御飯だ。昨年までの神姫観光の富士登山ツアーは河口湖近くの「富士健康センター」で入浴のあと自由昼食だったが、今年からはここいずみの湯に入浴場所が変わり、昼食も甲州名物の「ほうとう」を皆で食べるように変わっている。
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「ほうとう」とは名古屋のきしめんの幅をさらに幅広くしたようなものを、かぼちゃ・にんじん・大根などとともにみそ味で炊いたもので、珍しさもありおいしく頂いた。当然ながらビールなどの酒類は別料金で、2杯飲んだ生ビールは一杯600円となっていた。
帰りの9時間におよぶ長かったバスの旅を
簡潔に表現する。
2時間ほどの休憩を「いずみの湯」でとり、表面上は元気を回復した我々を乗せた神姫観光バスは13時14分に出発。やって来た道を戻り、御坂を越えて中央高速道路に入り、2時間おきほどにサービスエリアで休憩をとっていく。サービスエリアでの休憩は短く、レストランで食事をするような余裕はないが、たこ焼きや天むすや神戸屋のパンなどを休憩のたびに買い込みバスの中で食べ、そしてうたた寝をする。帰りのバスはなぜか時間の経つのが早く感じられる。
19時30分・京都駅、20時30分・新大阪駅、21時15分・三宮駅とツアー客を降ろしていき、次第にバスの中は淋しくなっていく。
21時53分・加古川駅と全ての降車地に立ち寄る。私を入れて5人までに減ってしまったツアー客を乗せたバスは最終降車地の姫路駅南口に22時19分に到着。
何ヶ所かの降車地を素通りすると行程表よりも一、二時間早く姫路に着くこともあるが、今回は高速が空いていたことから40分ほど早く着いたにとどまった。一方、富士山登下山中にアクシデントがあったり、道路が混んでいたりしたら、日が変わってからの姫路到着も十分考えられ、バスを降りてから自宅までの足を事前に考慮しておきたい。
幸いにも私は、最終のバスに間に合い、重いお土産をぶら下げ家路へとつくことが出来た。
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