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老婆谷から西尾根へ登る(摩耶山)



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平成20年4月12日(土)  メンバー 私だけ

青谷橋バス停〜行者茶屋跡〜老婆谷〜老婆谷西尾根〜方位盤展望台〜摩耶山掬星台

2万5千分の1地形図「神戸首部」を参照すること。


地形図にも記載されている老婆谷、でもハイカーの姿はない

7:35
三宮駅前から乗車した神戸市バス2系統阪急六甲行きを、青谷橋で下車。後乗り前降りで、料金は降りるとき払いで均一200円。スルットKANSAIカードは使えるがICカードには対応していない。

青谷橋を渡っている神戸市バス

8:15
40分間、自分撮りもせずに黙々と歩き行者茶屋跡に着いた。ここまでは簡易舗装の道が続き、ハイキング道としての青谷道の実質的な登山口になる。

なお、登り始めてすぐの青谷東尾根取り付きにあった、薄汚れた「摩耶山藪道 青谷東尾根 取付登山口 鉄塔1まで30分 山歩仲間」の案内板と、白ビニールテープのマーキングがなくなり、黒黄の虎縞テープを残すのみだった。

8:23
しばしの休憩後、老婆谷と行者尾根の取り付きがある、摩耶山行者堂裏から滝行場への道に入る。ここから入り行者尾根を登ったことがあるので今は不思議ではないが、裏に道が続いているとは思えない。

摩耶山行者堂の裏手に回る
「あれ、ここもテープがはがされている」


テープのマーキングが減っている

8:26
滝行場への谷にかかる鉄骨桁木製踏板の小橋を渡る。なおこの谷は老婆谷ではなく、行者尾根の西側の谷で無理やり詰めていくと、六甲全山縦走路下で絶壁に会いそうな予感がする。そこで間違って遡上しないように親切な人により、小橋上流の石に「×」印が付けられている。

滝行場への小橋を渡る

8:28
小橋を渡ってから2分後(普通に歩けば、おそらく10秒後)、道端右側の石に「天狗道」と書いてある。以前は、ここの立ち木にも黒黄の派手な虎縞ビニールテープが巻かれていたが、外されている。増える一方のマーキングだが、ようやくその存在が山を汚していることに気づいたハイカーが現れたようで嬉しい。でも小心者の私は森林法第197条(森林窃盗)のこともあり、手を出すことができない。

ここで滝行場への道から離れる

老婆谷・行者尾根への分岐道はそれなりの人が歩いているのか、踏み跡には落ち葉もなく分かりやすい。でも上2枚の写真の私は全く同じ姿勢で、ポーズをとって写しているのが丸分かりで、もっと自然に見えるように修行しなければ。

8:33
ウネウネと登ること数分で、行者尾根の取り付きの小鞍部に着いた。行者尾根はここから左へ登り、老婆谷は鞍部を乗り越えてさらに続く明確な道を進む。

←行者尾根 ↑老婆谷 踏み跡なし→


老婆谷へ突入

8:36
鞍部を乗り越えるともうそこは老婆谷で、明確な道型が続いているが踏み跡はない。六甲山なら、全ての尾根と全ての谷に付いているはずのマーキングが、なぜかこの谷では目に付かない。ということは、地形図にも名前が記載されているにもかかわらず、この老婆谷を訪れるハイカーは皆無なのだ。

明確な道はあるが

8:40
「昭和46年度 摩耶山国有林 老婆谷第2号コンクリート谷止 昭和興業K.K 林野庁 神戸営林署」と名板の付いた、コケの生えた砂防堰堤が現れた。そのまま右岸を進み乗り越える。

老婆谷第2号コンクリート谷止

8:48
砂防堰堤を下に見ながら、谷底から距離を置いた道は緩やかに登って行く。明るくはないが雑木林の中のそれなりによい雰囲気だ。

谷底から離れた右岸を行く

8:50
谷側が切り立ってきて、道幅も狭くなってきた。こんなところを歩くのが好きだが、なぜ老婆谷を通るハイカーがいないのかと不思議だ。

切り立った斜面の道

8:52
谷底が近づいてきて「昭和47年度 摩耶山国有林 第4号鋼製堰堤 三和工栄K.K 林野庁 神戸営林署」が現れた。こんなに細い鋼材で大丈夫だろうか、大岩一つでぺしゃんこになりそうな、ひ弱な、いや私のように繊細な堰堤だ。ここも右岸側を越えていく。

第4号鋼製堰堤

8:58
再び谷底から幾分離れるが、明確な道はさらに続く。

落ち葉に隠されているが
明確な道を辿っている

9:02
写真を見ると本当に道を歩いていたのかと、自分でも心配になる。おそらく、二手に分かれる老婆谷の左俣(下流から見て左に分かれるのが左俣)に沿った明確な道を、登っているものと思っている。

どの辺が道なのか分からないな

9:07
大きな炭焼窯の跡だ。これでの経験では、窯跡から下には炭を運び降ろした明確な杣道が麓まで続くが、上には踏み跡もないのが普通だった。この老婆谷でもそれが成り立つのではと、心配になってきた。

登りで出会う炭焼窯跡は
あまり嬉しくない

9:14
おそらく最後の小規模な砂防堰堤を右下に見て通り過ぎると、道が不明確になってきた。でも何とかまだ続いているように感じる。

道跡なのか疑問を感じつつ登る

9:15
とうとう道が消滅してしまい、踏み跡もマーキングもない。登って登れないこともない谷沿いを行くのが正しい選択なのだろうが、それでは今回の山行の参考にさせてもらった先達の跡を辿るだけで面白くない。

道を失い、ここは何処、私はだれ


老婆谷から脱出、その行き先は

9:22
あっちに行ったり、こっちへ登ってみたりするうちに、谷から離れ西側の尾根へ行くほぼ水平な踏み跡を見つけた。これまでの道もない里山を登った膨大な経験と、そうして培われた感が成しえたものと思っているが、本当はほとんど偶然だったのかもしれない。あるいは、山の神様が導いてくれたのかもしれない、なむなむ。

西側の尾根へ行けそうな
明確な踏み跡を見つけた

9:23
倒木を乗越えて踏み跡は続き、そして次第に明確にもなってきた。行く手には明るい尾根が見えて、沈んでいた気分も高揚してきた。でもどこの尾根に出るのだろう。

もう目の前に明るい尾根が

9:29
尾根に着いた。踏み跡は尾根の反対側には続いてないが、上には切り開きがあり登れそう。下はあまり観察しなかったが下れそうにない。眺めのよさそうな岩が突き出ていて、アカマツに邪魔されながら出てみると現在位置が判明した。

尾根には展望岩があった

露岩のある行者尾根が右に見え、老婆谷左俣と行者尾根の間の地形図ではあまり明確ではないが、実際には明確な尾根にいることが分かった。標高はおそらく500mほどだろうか。

この風景はこれまでに見たことがあり、天狗尾根の行者尾根下山口とアドベンチャールート分岐の間の、方位盤のある展望所からのものと同じだ。ということは、この尾根を登っていけば展望所に着くのだろう。

どこかで見た眺めと同じだ

9:37
尾根には明確な切り開きがある。最近枝払いした様子もあり、どこかの誰かがルートを切り開こうとしているかもしれない。

この尾根にもマーキングはない

9:38
アカマツが多く、広葉樹の多かった谷筋とは落ち葉も違う。

谷歩きよりも尾根歩きが
どちらかというと好きだ

9:42
あまり急ではなかった快適な尾根が、幾分急さを増してきた。杣道があるようなないような、鋭くはなく丸い尾根なので登りたくない岩場や難所をかわしていくと、尾根から逸れそうになる。

どんどん急になってきた

9:49
登れそうで展望のよさそうな大岩があるが、止めておく。

この辺までは楽勝だった

9:54
自分撮りがし難い状況の中、木につかまりながら攀じ登っていくと足元にゴミがぽつぽつと落ちている。自分の視界から消え去ればよいと「ポィ」と放ったのだろう。でもこのゴミの存在が縦走路が近いことと、終了点が展望所であることを物語っている。

木が生えていなければとても登れないような岩場を、握っている木が本当に私の体を支えてくれるのかと、危ぶみながら登るのももうすぐ終わるかと思うと、ゴミが愛おしくなってしまう。

最後はゴミがマーキング代わり

9:57
見上げるとハイカーがいて、思わず「人だ」と声を上げてしまった。でも最後の最後に木々の隙間が狭くなかなか登らせてくれない。むりやり体をねじ込み、木をミキミキ、私もミキミキとさせながらやっとの事で抜け出た。

イヤッホー、抜けたぞ

尾根の終了点は、予想通り縦走路から10mほど少し離れた方位盤のある展望所だった。そこにいた単独男性ハイカーはありえぬところから現れた私を見て唖然としながらも(いやただ呆れていただけかも)、「どこから登ってきたんですか?」と声を掛けてくれた。

予想通りの終了点

10:27
縦走路を東へ摩耶山掬星台と向かう。気持のよい掬星台展望台で恒例のシェーをすると笑われてしまった。でも大員数の前でシェーをしても無視されるのが普通のなのに、反応する人がいて少し嬉しかった。

摩耶山掬星台でシェー

毎度毎度のロープウェイ・ケーブルカーでの下山もなんだし、計画通りに「青谷東尾根」の途中から分岐する「青谷東々尾根」(本当の尾根の名は知らない)で下ろうと思う。

青谷東々尾根を下る(摩耶山)へ続く



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